まっすぐな道

「中学から家まで、ここのまっすぐな道を歩いて行けば、いいんです」

「なるほど...まっすぐで、わかりやすい」


「べつに、まっすぐじゃなくても、中学から家までなんだから、わかりますよー」

「そりゃそうですけど、まっすぐだから、もっと、わかりやすいな~って...」


「そんなことより、白熊さんは中1の時、何部だったんですか?」

「え?ダンス部です」


「えーっ?ダンス部なんですかー」

「そんなに、びっくりしますか?」


「わたしもダンス部なんです」

「えーっ?...それは、めっちゃびっくり!!」


「なんでですかあ...」

「いや、おっとりしてるようだから...」


「背中や頭で、めっちゃくるくる回ってますよ」

「いいですねー」


「そうですか?」

「こんど、ダンス見せてください」


「こんどじゃなくて、今、見せてあげますよっ...それっ」

「うわっ!うわうわうわっ!」


「どうですか?」

「めっちゃうまいです」


「じゃあ、うちは、この道を右に曲がりますので、また、あした」

「あ、また、あした...さようなら」


「さようなら」

「あしたからも、よろしくお願いします。志伊良さん」


「いいですよ、白熊さん」

「ひっく...うわっ、しゃっくり...」

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