｢おはようございます、白熊さん｣

｢おはようございます、志伊良さん｣

｢今日は、新しい学校に、迷わず来れましたか？｣

｢つい、いつものクセで、前の中学に行きかけました｣

｢え？ほんとに？｣

｢はいっ、瀬戸内の中学だから、飛行機に乗って行かなきゃーって思って、那覇空港まで｣

｢行ったんですかー？｣

｢行きかけて、あ、新しい中学になったんだーって｣

｢よかったですねー飛行機に乗らなくて｣

｢ほんとですよー飛行機に乗ってたら、またすぐ乗って戻らなきゃならないとこでした｣

｢そうですよね｣

｢そんなわけないでしょ｣

｢え？｣

｢いえ、なんでも...｣

｢そんなことより、1時間目は体育だから、早くいっしょに着替えに行きますよー｣

｢え？志伊良さんといっしょに着替え？｣

｢知念先生に

『白熊さんといっしょに着替えてあげて』

って言われてますから｣

｢あ、そうなんですか｣

｢そうなんです。行きましょう｣

｢はいっ｣

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