5話:説明とお披露目と…なにこれ?
「なんか多くね?」
まだ機材とアバターの説明はわかる。まだほとんど知らんから。
同期の話もわかる。ていうかそもそも同期いるの知らなかった。
ぼっちスタートだと一人で思っていたから少し嬉しい。
で、最後のはなんだ?
俺個人へのお話?
なんで?てか、まだ話すの?
めんどいから話したくないんだけど。。。
「まぁ結局行くことには変わりないか」
俺は足りない頭で思考をフル回転させた結果振り切ってしまった。
当日になり俺は記載されていた住所に向かった。
場所はあの面接会場だ。
「・・・やっぱここだよな」
数週間ぶりに見るその建物は未だに真っ白だった。
ここまで真っ白なのを保てるのはすごいなと素直に感心する。
まぁ、いつまで持つかはわからんが。
そんな思考を張り巡らせたまま俺は建物の中に入ろうとしたその時だった。
「おい」
「っはい?」
警備員に話しかけられた。
話しかけられることを想定してなかった俺はつい即座に反応することができなかった。
「このビルは関係者以外立ち入り禁止だ。なにか用がないなら帰れ」
「いや、今日ここの人に呼ばれているんですよ。LyR1c BeAtってわかります?」
「あぁ、わかるが…ちょっと待ってろ、確認する」
と言って警備員の人はトランシーバーでなんか話しかけて十数秒してこちらに来た。
「確認が取れた、入っていいぞ、事務所は三階だ」
「あ、ありがとうございます」
通されたことにホッとして建物内に入りエレベータに乗る。
少しして三階についた。
扉が開くと一本の廊下がありその奥には透明なガラスのドアに青みがかった色で
『LyR1c BeAt』
と書かれていた。
で、そのドアの前に一人の女子?女性?がうろたえていた。
「入ったほうがいいよね…でももし時間とか間違ってたら…」
どうやら不安があり事務所内に入るのを渋っているようだった。
ここで見せるは男!コミュ障?そんなのない!(自己暗示)
「ど、どうしy「あの、大丈夫ですか?」
声をかけると彼女は勢いよくこちらを振り向いた。
「あ、えっと、あ、はい…大丈夫なんですけど…」
「もしかしてですけどLyR1c BeAtの新しいライバーだったり…?」
そういうと驚いた目が怪訝な目に変わってくる。
「な、なんで知っているんですか?ま、まさかストーカー!?」
「違う違う違う!俺もなの!!新人ライバーなの!!」
思わず大声を出した。すると事務所のドアが開きスーツ姿の男の人が出てきた。
「・・・何してるんですかお二人共」
「「え?」」
「中でもすごいはっきりと聞こえました。
それにあなたが以外の方はもう到着していらっしゃいます。早くしてください。」
「「す、すみません!!」」
こしを90度に曲げて謝罪した。
「…フッ」
「「!?」」
「いまわらいましたよね!?」
「笑ってません、中へどうぞ」
「え、ちょっ」
絶対笑ってた『フッ』って鼻で!!笑ってました!!!!
マジブチコ◯シテヤロウカ
グダグダしたがしっかり中に入った。
そこはいかにもオフィスといったような感じだった。
強いて言うなら壁にいろんなVtuberの写真がかかっていたり、棚の上にはアクスタや缶バッチ、ぬいぐるみなんかもおいてあった。
少し感動して「おぉ」と声を漏らした。
入口前に遭遇した彼女も周りをキョロキョロ見渡していた。
すると
「こちらです」
とさっきの男が会議室の扉を開けてこちらに向いてきた。
「どうぞ、お二人共お入りください」
めちゃめちゃ笑顔で
なんか腹立つな
まぁ、指示通りにその会議室に入るとすでに三人の男女が椅子に座っていた。
「ようやくきたんか?」
金髪オールバックのいかにも「柄悪いです!!」みたいなやつが関西弁?でこちらを向きながら言った。
「これで全員ですね。どうぞおすわりください」
と男
素直に座った。
位置としては長い机を挟んで正面にさっきの男一人
その向かいに金髪、大和撫子、ギャル(?)俺、遭遇女子の順だ。
「それでは…」
男が紙をそれぞれに渡してこういった。
「LyR1c BeAt第5期生顔合わせ及び説明を行います。私はあなた方の総合管理を行う長嶺凌真と言います。」
え〜こいつがマネージャーってこと?胡散臭いんだけど。
「ちなみにいま失礼なこと考えたやつは私が直で付きます。」
と^^とした笑顔でこちらを見てきた。
俺のデビュー無事にできるか心配になってきたな。
まぁ初配信!!っつって満身創痍の状態だったらリスナーは面白いだろうな
リスナーは!!
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