第16話 和田惟政の事
足利義昭の逃亡の一役を買っていたのは、甲賀衆の和田惟政であった。
和田惟政は、その後義昭と共に奉公集として上洛を果たし、義昭からはその功により 池田勝正、伊丹親興と共に摂津国守護に任命されていた。
彼は甲賀から出て芥川城・高槻城を居城とし、以後、信長の信も厚くし、外交や政治に関与しながら、織田軍団に与み込まれていった。また、義昭との間に入り取次も行うようになっていった。
摂津国に入ってからは、右近の妻が彼の娘であったことからも信長の信は厚く同じ甲賀出身の高山友照・右近親子と親交をも深めていた。
高山父子は、永禄六年右近が十歳の時にヴィエラから受洗を受けており、高山ダリオ友照、ジェスト右近として切支丹となっている。父友照は大和国沢城、右近は惟政から与えられた芥川城をそれぞれ居城としていた。
そのこともあり、惟政は右近に連れられ河内の教会をたびたび訪れ説教を聴聞していた。そこでデウスの教えに感銘を受け、引き続き説教を聞くことを希望し、次第にキリシタンとして傾倒していった。
その後、バテレンたちが洛中を追放されていることを知り、友照に書状を送り、そこでデウスの教えを学びたいと堺から神父を派遣してほしい旨を伝えていた。
堺のフロイスたちが、このことを知ったのはこのころのことであった。
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