課題 ある特定の香り

彼女の真新しい制服の香りは夏の終わりというより夏の始まりを予感させた。大きく空が広がる青い生命の始まり?

悲しいこともいつまでもいつまでも。この少女の悲しみにはこの季節を表すような眠りと新しい目覚めだろうか?いつまで生きるの?誰かと生きる意味は?正しく生きるとは?悲しみの記憶は封印しても夏は新しい。いつも新しい。確信は甘い夏服に似ていて私を過去と未来に連れて行く。階段を上り空の記憶を知りたい。私が何かの意味が無くても構わない。いつか未来の意味を知る時、私は夏と彼女の香りの記憶を振り返るのかもしれない。いつか何処かで会おう。約束して明るい眼差しで微笑む彼女を私は願うのだった。記憶は血の色と悲しみの匂いがするから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る