最終話 決闘

 僕は旅の経緯を思い返していた。もともと僕は大会が好きだ。今回は一番歩いてゴールに着いたら一万円という企画だった。

 手元に残っているのは六千円とわずか。最後に電車を使って公園に着いた。


「おい! 偽勇者」と声がしたのは、棒人間が公園で偽勇者と掛け合っている最中でした。

 勇者に、棒人間は小声でささやきました。

「あえて泳がせてるんだよ。ぼくだって勘づいたさ。偽者が一人称が『俺』に変わっていること、釣りが下手なこと。そのほかいろいろあったね」

「そうか、それならいいや」勇者はささやきかえしました。


 偽勇者が逃げはじめました。棒人間が偽勇者なおなかを掴んで、川に落としました。

「あっ、魚をつかんだよー。勇者つって!」

「了解」

 偽勇者……大会を止めさせようとしていた組織の一員のつった、魚をお土産に、二人は無事ゴールしたのでした。

 棒人間は、魚の上半身と、一万円を持って帰ったのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ただの棒人間がただ冒険するゾ!ドジすぎる棒人間が勇者と歩いて旅する話 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ