第3話 かわいい?
「きっとあたし陰山に嫌われてるんだぁー」
「嫌ってなんかないよ!?」
通り過ぎようとしていた俺は予想していなかった言葉を聞き思わずツッコんでしまった。
「はっ、陰山?!ぐ、偶然だねえ。じゃああたしは用事あるから…」
「用事ないのは知ってるよ?!」
陽川さんに用事がないのは実行委員の仕事の時に聞いている。なんなら聞き飽きた。
そうして逃げ場のなくなった陽川さんは、少しずつだが落ち着きを取り戻しつつ、中学の頃の話をしてくれた。
漫画に憧れて中学からギャルになったこと。入った陽キャグループの闇が深かったこと。そしてそこで陰口を言われてネガティブ思考になってしまったこと。
「あたし、軽い人間不信なんだよねー…。」
そして、勝手ながら同情してしまった。
俺も中学時代に悪口を言われていたが、陽川さんも陰口を言われていたのだ。
でも、それにめげずに学校に行ったのは、
「かっこいい。」
思わず本音が漏れてしまった。
「は?どこが。」
「だって、いくら陰口を言われても、頑張って学校に行ったんでしょ?それも、自分が可愛いと思う姿で。それってめっちゃかっこいいよ。」
思ったことを正直に言うと、陽川さんは少し照れながら、
「そ、そうなの?あり、がと、う。」
とお礼を言ってくれた。
頬を赤くさせながら言われたので釣られてこっちも少し照れくさくなる。
「えーっと、だから俺は陽川さんのこと嫌ってなんかないよ。」
「うっ、うわああああ、よかったああああああ!」「うおっ?!」
再び泣き出してしまったので、持っていたハンカチで涙を拭ってあげる。
すると、土手の上から声が聞こえてきた。
「うわ、リア充だ。」
「爆発しろ!」
笑いながらそう言って声が遠のいていく。声的に中学生くらいだろうか。
慌てて横を見ると、陽川さんが泣き腫らした赤い目にまた涙を浮かべていた。
「あの人たちがバカにしたくなるくらい可愛いってことなんじゃないかな?それに、男女2人が並んで座ってたらそう見えちゃうし。」
「───山は」「ん?」
「陰山はあたしのこと可愛いと思う?」
「──────へ?」
あまりに唐突だったので驚いて即答できなかった。
「ご、ごめんね!自意識過剰で気持ちわ」「可愛いと思うよ。」「ふぇ?」
陽川さんの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
そこに追撃するように俺は続ける。
「顔もスタイルもいいし、人の気持ちを考えて話せる優しさも持ってるし、可愛くて魅力的な人だと思う。」
「───っ、もう、バカぁっ!」
「イテッ」
そう理由を述べた俺は、人だり肩を陽川さんに叩かれる。
そしてさっき思いついた1つの考えを陽川さんに提案することにした。
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すみません、更新遅れました!
近況ノートでも理由は書きましたが、普通に寝すぎました。
しっかり寝ます。
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