第4話
僕たちは今、3人暮らしをしている。
僕とたま、そして、博士。
僕には両親がいない。
それは子供の頃からだった。
僕の家族は「妖魔」に殺された。
5歳の頃のことだ。
僕はその時の記憶を、今でもハッキリと覚えている。
僕の両親はただの一般人だった。
父親は印刷会社に勤める会社員で、母親は地元の老人ホームで働く介護士だった。
何気ない日々を送っていた。
なんの変哲もない日常が、穏やかな時間のそばに広がっていた。
突然失われたんだ。
それは、足音もなくやってきた。
忘れられない出来事だった。
——ガチャ
冷蔵庫のドアを開ける。
今日はまだ、何も食べてない。
そういえば、博士が焼きそばを焼いてくれてたな。
大学の講演会か何かで、昼からは出かけてた。
えーっと、確かレンジの中か?
あったあった。
大皿にたんまりと盛られた、博士特製の塩焼きそば。
まだほんのりと温かかった。
野菜を炒める音が、ついさっきまで聞こえてた。
ざっと2時間くらい?
博士が家を出たのは12時前だったから、多分それくらい。
さっさと運んで食にありつこう。
氷おにぎり、氷おにぎり…っと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます