その12
──異世界4日目 その2──
「え……これ……マジ?」
獲物倉庫の奥に佇むファングボアを見て息を呑む大人たち。
「マジもマジ!」
「嘘吐けぇっ!」
余り無い胸を張って自慢するイリスさんに、即座に嘘だと却下するイリスさんの育ての親……と主張していたオリバーさん。ちなみに、今は一緒の家に住んでいる(致しかな無くだが)と言ったら、すぐ出て行けとか代わりの家は用意するだの忙しい中年男性だった……すぐって無理じゃん?(使ってるか廃墟しか無かったし……)
ちなみにファングボアはすぐ解体に回され、今夜には宴会のメインディッシュになるそうな……下拵えを手伝いますって申し出たら(流石に解体は分からなかったし)喜ばれたよ。
お肉は大きかったので全部は食い尽くせず……美味い部分を宴会で喰って、残りは備蓄に回したって感じ。下拵えは料理する人たちに分かりやすくコツを伝えておいたので、次回からは俺は不要だと思う……多分。
◆◇◆
さて、スキルカットの件だが……
「別に黙ってやりゃあいいんじゃないか? 悪さをする奴らのが悪いんだしよ?」
……との事だ。確かにスキルをコピーするだけなら、収集してるだけなら……ある意味嫌な事だが、黙ってれば気付かない訳だし根っからの悪とは断ぜないが……
(ランダム召喚で掻き集めたりしてるしな……)
しかも、帰れるなら兎も角、こうして「帰れない人」も居る訳だ……俺がなっ!
そんな訳で、ちょっとした復讐を果たすと同時にとある事を思い付いた……いや、大した事じゃない……この村の人たちのスキルをコピーしてみたいな……ってね。
◆◇◆
「スキルをコピーしたいだ?……別にいいぞ?」
無断は不味かろうと、いちいち断ってからスキルをコピーしていくシギ。ちなみに使えるかどうか分からなかった為に全てのスキルをコピーし、ある程度溜まってはスキル統合が繰り返されていた……その結果がこれだ!
◎技能:★は
「スキルコピー」★
「サバイバルスキル」
「山の主スキル」(狩人などのスキルを統合)
「
「
「テイマースキル」
「総合馬術スキル」
「料理人スキル」
「生活魔法スキル」
「突進力上昇(中)パッシブスキル」
……えっと?
「これ、どう思う?」
イリスさん宅に戻ってから、参照機能を許可して見て貰ったんだけど……
「これ、山の中だったら無敵じゃない……け、結婚しないっ!?」
いきなりプロポーズされました(苦笑)
いやまあ、
「オメェみてぇな不審者に、大事なイリスをやるもんかっ!?」
……てな感じで。まだ昨日の宴会の酒が抜けてないんだろうか?(苦笑)
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