その8
──異世界2日目 その6──
コピー出来るならカットも出来たらいいな……そしたら弱体化出来ないか?
そんな事を考えながら、走る!走る!走る!
ヴモ゙ォ゙ーーッ!
バキバキと若い木を薙ぎ倒し、太い木は避けながら迫って来るファングボア!
(流石に大きい木は折れないのか……流石レベル3だけはあるな……)
つまり、まだ成人仕立てってくらいの個体なんだろう……それでもでっかいけど。大体地球の成体の牛よりはでっかいと思うんだけど……
(逃げながらだと分かんないよな……やべっ!?)
地面から浮いている根っこに足を引っ掛けるっ!
コケッ!……ゴロゴロゴロ……
転がってしまったが、ファングボアは飛び越してその儘走ってしまう……
(そうだ……スキルカット!)
連打連打連打!
〈ファングボアから以下のスキルをカットしました〉
「筋力上昇(中)パッシブスキル」
「脚力上昇(中)パッシブスキル」
「体力上昇(中)パッシブスキル」
「突進力上昇(中)パッシブスキル」
「防御力上昇(小)パッシブスキル」
(こ、これだけ切り取れば弱体化……)
……ヴモ゙ォ゙……
「怖っ!?」
無理です!……寧ろ水瓶しか持ってなかったってのにどうしろとっ!?
ガチャーーン!
目前で暴れられて思わず水瓶を叩き落とされ、
「シマッタァーーッ!?」
と叫んだ瞬間……
さくっ……!
いつの間にか現れたイリスさんの放った矢がファングボアの眉間に深々と突き刺さり……
ずずぅーーん……
見事に一射でトドメを刺したのだった!
◆◇◆
「君は何処まで水を汲みに行けば気が済むんだい?」
いや……そもそも具体的な方向すら説明を受けてないんだけど?……って反論は逆効果だろう。多分……
「その……道に迷いまして……」
今の所、これくらいしか言い訳が思い付かない……事実、森とまでは言わないけど、入り組んだ林道だと地元の人くらいしか見分けが付かないし。
「はぁ……よく考えたら、偶に来る隣り村の人たちも似たような感じだったわね……ごめんね?」
だったら、付き添ってくれても……と思わなくもないが、此処はグッと我慢の子。取り敢えず頷いておく。
「でも、まぁ……ボアか、珍しく大物が捕れたわね!」
「美味しいんですか?」
一応、知らない振りをして訊いてみる。何故かマップスキルさんから得られた情報では、キチンと下拵えすれば美味しいと言う事だが……
「料理した事は無いけど、まぁまぁ美味しかった戸思うわよ?」
と言う、少々不安げな回答が返ってきた……
(うーーん……一応、料理の腕前……と言うより料理の効果上昇かな?……のスキルと、ファングボアの調理方法がヘルプから引き出せれば、俺が料理した方が良さそうな気がして来た……)
※先ずは解体からだと思う今日この頃……
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