その4

──異世界2日目 その2──


「え? はぁっ!? 何、何なの? そのステータスっ!」


 ええと……多分、コピーされたスキル……の事を言ってるんだよな?


「あーー……最初に言っておく」


 胡散臭い顔をしてイリスは言う。


「何よ?」


「俺はこの地の生まれじゃない」


「あーー……召喚されたって言ってたわね」


 多分……ではなく、ほぼ確定事項だ……


「だから、スキルに関しても……こちらの普通とは違うと思うんだ」


「ナルホドね……」


 改めてスキル一覧を見る。



◎技能:「スキルコピー」

    「生活魔法スキル」

    「筋力上昇(小)パッシブスキル」

    「器用上昇(小)パッシブスキル」

    「体力上昇(小)パッシブスキル」



 コピーされたスキルが4つ……あの盗賊スキルテイカーたちは1つ……それもレベル1のスキルしかコピー出来ないクズスキルと言っていたんだけど……


「スキルテイカーたちは鑑定スキルを持っているのかな?」


「まさか……強制的にその人のスキルを覚醒させる、「技能覚醒」ってスキルをボスが所持してるだけよ……あたしは何度もやられてるんから、出涸らしって言われてるのよね……失礼しちゃうわ……」


 つまり、覚醒するスキルは枯渇してるって事だろうか? ある意味、唯でスキルを覚醒してくれる親切集団の様な気もしないでもないが……


「無理矢理覚醒しちゃうと使い熟せなくて死にスキルになる事もあるし、何よりあの集団の戦力アップに繋がるからねぇ……」


(矢張り、悪の集団なのかな?)


「早く狩場を変えてくんないかしら?……趣味でスキル収集してる野郎たちなんて……キモいったらありゃしない!」


 ……ど、どうやら……趣味の迷惑集団に、俺は異世界転移と言う迷惑行為に巻き込まれた様です……orz


◆◇◆


「スキルの上限を把握したい?……まぁいいけど」


 と言う訳で、イリスさんのスキルをコピーしまくってみた。既に潜在スキルが枯渇していて覚醒しているスキルがハッキリしている為、全部コピー出来たか分かるのも検証向きだし?


「では、行きます!」


「はいはい……ちなみにあたしのスキルは全部で30あるから……」


「……多いですね?」


「殆ど死にスキルだからねぇ……普通に生活してたら使わないし?」


「はぁ……訊くのもアレだし、取り敢えず」


 スキルコピーを連打する。途中で失敗したと出るが……


「魔力不足、らしいです……気持ち悪い」


 コトン……と小瓶をテーブルに置かれる。


「はい、魔力回復薬」


 じ……と小瓶を見る。何処ぞのゲームのMPポーションみたいに青い液体が揺れていた。


「これを飲めと?」


 頷くイリスさん。


「飲めばある程度魔力が回復するよ? 他には安静にしてれば……そうねぇ、一晩で全回復するくらいだったかな?」


 つまり、続けたければ飲めっていう事か……シギは蓋を開け、クンクンと中の匂いを嗅いだ後、目を瞑って中身を煽るのだった!

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