その3

──異世界2日目 その1──


「お早う……よく寝られた?」


 与えられた部屋から出て水で顔を洗っていたらイリスも顔を洗いに部屋から出てきた。


「あぁ……お早う……少し体がギシギシ言うけど、何とかね」


 ベッドのクオリティーは異世界村品質だからな……元の世界の一般品質には程遠い。外で外敵を気にしながら野営する事に比べたら雲泥の差はあるだろう。


「何処のお坊ちゃんだったのよ……この村じゃこれでも上等な方なのよ!?」


 ……と呆れられるシギ。


「そっか、すまん……」


「まぁ……今後の事はこれから話し合うとして……朝ごはんにしましょ?」


 と言う訳で、朝餉の準備を手伝う事に……いや、味噌汁じゃなくて単純に朝飯の用意な。


◆◇◆


「ご馳走様でした……」


「はい、お粗末様」


 食器を片付け始めるので俺も纏めて台所へ運ぶ。尚、食器は水で洗って……とやらずに、「クリーン洗浄」と言う生活魔法スキルでキレイキレイするらしい……何その便利魔法!


「あ、ひょっとして……」


「なぁに?」


 ニヤニヤしてるイリス。さぁ、イツでも聞いて来い!……とばかりにカモォーン、ベイベ?……みたいな体勢になっている(苦笑)


「いや……この家が妙に小奇麗なのって……」


「そうよぉ?……あたしが綺麗好きだから、よ?」


 ……と、綺麗好きなお姉さん感を出してるんだけど……まぁいいや(スルーの方向で)


「俺にも使えたら……と思うんだけど。その……世話になってる訳だし」


 と言う訳で、先ずはイリスのスキルをコピーさせて貰う事にした。その前に確認したい……って事で、ステータスを見せる事になったんだけど……


◆◇◆


「これがシギの……ね」


 他人のステータスを初めて見たのか、シゲシゲと舐めるように……いや、何となく恥ずかしいんだけど?


 ちなみにこんな感じでゲームのステータス表に比べると簡素なもんだ。



【ステータス】

◎名前:シギ

◎年齢:18

◎性別:男

◎職業:無職

◎技能:「スキルコピー」

    「体力上昇(小)パッシブスキル」



 鑑定ってスキルを会得すれば、もっと詳細な項目が読めるらしいけど……


「じゃ、じゃあ……水を汲んで来るのが大変だし、生活魔法スキルをコピーして貰おうかしら?」


 言われる儘にスキルコピーを行使する。イリスが持つ幾つかのスキルがコピーされ、何度めかで漸く「生活魔法スキル」がコピーされたんだけど……


「シギ……あんた、これ……」


 指差す先には出しっぱなしのステータス表が……そこには、こんな感じでスキル一覧が表示されていた……



◎技能:「スキルコピー」

    「生活魔法スキル」

    「筋力上昇(小)パッシブスキル」

    「器用上昇(小)パッシブスキル」

    「体力上昇(小)パッシブスキル」



 尚、レベルなどの表記がないのは鑑定スキルが無い為で、使用し続けていけば何れレベルアップするのでメモでも取ればいいとの言はイリスさんからのアドバイスだ……

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