2010.5.20.13:05 frontroom
「でもよ、10人要るってのにまだ5人だろ?俺が誘うって言ってもよ、命懸けかもしれないのに人来ないだろ。逆によく4人も誘えたな」
「バックルームってのはよ、脱出はもうほとんど不可能なんだぜ。」
「なんで行くんだよ。阿呆かなんかかお前」
俺はまた呆れたように溜息をつきながら言った。
「逆に考えてみろ。ほとんど帰ってくることは無いだろう?だったら貯金もただの遺産になるわけだ」
「金積んだらいけたって訳かよ。んで、いつ行く?誰連れてく?」
「そうだな。とりあえず、お前と俺、あと誘った3人とそれと……あと5人くらい。お前の貯金も犠牲にしてくれないか」
「は?」
「だから、君も人のために金を使ってくれよ…」
「ったくよ、仕方ねぇな。俺の貯金が10万だからな。1人1万ならやってもいいぜ?」
「まじか、お前やるじゃねえか」
「その代わりちゃんと探せよ」
「分かってるよ…」
「んじゃ、1週間後、駅前な。仲間も連れてこいよ」
「わかったわかった…」
…そして今に至るって訳だ…
「まあとりあえず金積んだけどよ…3人しか来なかったぜ?」
「まあいいよ。9人も集まったんだし。」
「じゃあ自己紹介とかしたほうがいいんじゃないの?」
「確かにな」
「まあみんな初対面じゃあないだろうけどね…」
9人集めたってのに、なんで6人しか来てないんだよ。そんなことを思いながら俺は最初に自己紹介をした。
「じゃ、まずは俺から。俺は星乃凪。19歳だ」
「次は俺かな?俺は闇川透、20歳。彼女救出のために集まってくれてありがとう!よろしく!」
「次は私だね。僕は風月陽向、同じく20歳、凪とは幼なじみだね。よろしく!」
「私は五月雨真宵って言います!20歳です!よろしくお願いします!」
俺は五月雨を睨み、そして苦笑いしながら言った。
「お前がめついよな。俺が誘ったら貯金全部よこせとか言うんだもん。」
「何?悪い?」
「別に」
「んで、次私か。私は風吹りあ。まあ、よろしく」
「なんかめっちゃクールで美人な人だな」
風吹の自己紹介を聞くやいなや、透は俺にこっそり耳打ちしていた。
「えっと……お前の名前は……」
「あ、私ですか?私は莉音です!17歳です!兄ちゃんの付き添いです」
「兄ちゃん?凪の妹ってこと?」
「まあ、そんなとこ」
「お前妹いたんだな。初耳だぜ」
「まああとの3人は、まだ学校だから今はいないぜ。それより準備だ。バックルームなんて危険なとこ行くんだからな」
「そうだな。じゃあ、まず持ち物だ。」
「懐中電灯、携帯食料、水、ナイフ……あと何がいるかな?」
「あとはバックルームに迷い込んだ人を助けるための救急箱とかも持っていったほうがいいんじゃない?」
「それもそうだな」
「とりあえず、明日には出られる準備はしろよ」
「じゃあ今日は解散するか」
集合は13時だったのに、なんで5分くらいで解散なんだよ。そんなことを思いながらただぼーっとしていた。
「あ、その前に連絡先交換しようぜ!」
「あ、いいかもねそれ!」
「じゃあみんなラインで交換しよー!」
「これで……みんなライン交換したな?」
「うん!これでまた連絡取れるね!」
「じゃあ今日は解散だ。また明日な」
「うん!ばいばーい」
こうして、9人の探査者による謎のバックルームへの潜入は幕を開けようとしていた……
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