第3話 江戸時代にトリップ
カズノリは次の日の下校時に咲耶をつかまえてファミレスに誘った、発明家のツヨシさんの事は咲耶も知っていて、新しいアプリをみせるという話に咲耶も乗り気だった。
アプリの話をする前にお互いの近況の話になった。
「カズノリは理系クラス行ったけど勉強大変じゃない?」
2人の通う私立高校は結構有名な進学校で2人は三年生になっていた、カズノリの両親はかなり教育熱心でカズノリに大きな期待を寄せていた。
「正直しんどいよ」
カズノリは素直に答えた
「カズノリって地頭はすごくいいけど、あんまり集中力ないし、勉強好きじゃ無いよね」
「似たようなことよく言われるよ、大学いくよりコンピュータの専門学校に行きたいよ。でも親が学歴主義だからね」
「そっかー、今どき楽歴関係なくなってるよね、そういえばツヨシさんて、マサチューセッツ工科大にいたんだよね」
「そうらしいよ、凄い人ばっかりで疲れたんで日本帰って来たって、気ままでいいよな、ツヨシさんて家がもともと地主だし働かなくても食っていけるんだよな、ウチの親はエリートぶってるけど所詮サラリーマンだし」
「それはそうと、アプリ試して見せてよ!ドラえもんの秘密道具みたいなやつ!」
「いいよ!なに時代に行きたい!」
「江戸城の天守閣が見てみたい」
「それ、何年に行けばいい?」
「関ヶ原の後だから1610年ぐらいかな?」
カズノリはアプリに1610と入力してトリップボタンを押した。昨日の様に周りの風景が渦を巻き直ぐに江戸時代の街並みになった
あたりは商店街のようでちょんまげの町人が行ききしていた、はるか向こうに巨大な江戸城の天守閣が見えた。
「ほんとに来れたんだ!すてき!ねえ、天守閣のそばまで行ってみよう!」
周りの町人達は変わったかっこうのふたりを怪訝な顔で見ていたが咲耶は全然気にせず天守閣に向かって走りだした、カズノリも後をついていくしかなかった。
さて、しばらく走っていくと江戸城全体が見渡せる場所に来た、歴史に興味のないカズノリもその風景に感動した。
「でっかい天守閣だな、作ったばっかりでピカピカだな」
「うん、こんなの見れるなんてカズノリにもツヨシさんにも感謝しなきゃ!」
用心深いカズノリは感動しながらも周りを気にしていた、役人のような数人の男が近づいて来ていた」
「カズノリだーい好き!」
「それは嬉しいけど、ちょっと現代に戻るかなんか目をつけられてるぞ!」
咲耶も我に返った
「そうね、ちょっとまずいわね、またいつでも来られるなら戻りましょ!」
カズノリがリターンボタンを押すと2人はまたファミレスの店内にいた。
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