第3話流しそうめん

小学生の夏休み、ばあちゃんと僕、運転手の叔母さんと一緒に、十曽池の辺にある店でご飯を食べた。

流しそうめんだった。

くるくる流れるそうめんを箸で掴み食べるのが楽しかった。

ニジマスの塩焼も食べた。

その後から、釣った川魚は塩焼にするのが僕のお気に入りになった。

「とし坊、ばあちゃんの魚も食べやん」

と、言って僕はニジマスを2尾も食べた。

あの時のそうめん流しは、30年以上経っても忘れはしない。


楽しかった。

ばあちゃんは、水ようかんが好きだった。

冷蔵庫で冷やした水ようかんを僕に渡した。

抹茶だった。

僕は大人の味の抹茶の水ようかんを食べて、吐いてしまった。

それから、抹茶の匂いや味は大嫌いになった。

だが、大人になると抹茶は美味しい。

好きだ。

だが、お茶屋さんのお茶っ葉を焙煎する匂いは未だに大嫌いだ。

ばあちゃんが生きていたならなば、ういろうを贈ったのになぁ。

そうめん流しの思い出は忘れられない。

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