第2話 物好きな同志発見

-side エドワード-



「ふむふむ、良くも悪くもいつも通りって感じ」



 中に入ると草原が広がっていた。

 強いていうなら、ややちょっと広めだろうか?天井の高さは若干低い。周囲には、ちらほらスライムがいる。



 --ぽよぽよぽよ



 うーん、雑魚そう。

 スライムが繁殖しすぎてダンジョン内の生態系に影響が出てしまわないように、倒した方が良いだろうか?

 魔法を広範囲に放てばこのフロアにいる魔物はほぼ全滅するだろう。

 でも、スライムは駆け出し冒険者の貴重な収入源になるからなあ。ちょっと間引くくらいがいいかもしれない。

 ここは、人が少なそうだが、腐ってもダンジョン。休日には学生や副業の平民が来るだろう。

 冒険者とはいえ、俺みたいにど平日の昼間にこんなところ来る方が稀だからね。そもそも、まともな専業冒険者だったら、もっと金になりそうな難易度が高いダンジョンに潜るだろうけれども。

 ここに潜っている人は趣味で潜っているか、本当に駆け出しかのほぼ2択だろう。

 そんな事を考えて俺は周囲に迷惑をかけない程度の魔法を放つ。



「ブリーズ!!」



 簡単な風の魔法だ。スライムはあっさり散っていく。やっぱり弱い。

 普通の一般市民でも素手で倒せるんじゃないか?あれ?

 ダンジョン内だから、油断するつもりはないが、思わず呆れてしまう。



「さて、今のでほぼこのフロアは終わりかなー?まあ、簡単だね追記追記」



◯メイビスダンジョン◯

広さ:⭐︎3.5

高さ:⭐︎2.5

ボス:なし

1階層も魔物の強さ:⭐︎1.0

備考:ダンジョン初心者向け。魔物もほとんどスライムのみで、一般人に毛が生えた程度の駆け出し冒険者でもこのフロアだけだったら、一人でも充分クリアできると思う。本当だったら、上級者が潜って魔物を狩りすぎないように注意書きを書いておくべき場所。トロール王国にそこまでのダンジョン管理能力はないだろうから、クリアし終えたら冒険者ギルド経由で根回ししたほうが良い。



 こんな感じか。

 まあ、このフロアには他のも一応、ちょっと弱い鳥系もいるが、それはわざわざ間引く必要がなさそうなので、それは無視して次のフロアに行くか。



 --タッタッタ!



 身体強化と風の魔法を駆使して足早に進む。すると、前方に何か見えてきた。



「--ん?あれは……人?」



 驚いた。こんなところに、平日潜っているもの好きが俺以外にもいたなんて。

 しかもあれ、女の人だ。

 魔導士のローブを羽織っているから顔は見えないが、赤い髪の毛がローブからはみ出ている。

 ちょっと声かけてみるか。



「こんにちは〜♪」

「……!?子供!?あっ……!!」



 驚いた拍子にローブが取れる。

 んーー??この人どこかで見たことあるような気がするー?




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