2.数字は0から
なぜ数字で傷付くことが間違いだと言えるのか?それはあなたが事前に数字について考えられていないことがわかるからだ。
さてテレビをつけよう。CMが流れる。ラジオにも。雑誌にも。電車にも。街中どこでも広告が出ている。
何故か?広告を打たなければどんな大企業の素晴らしい商品も売れないからだ。知らない物は買えない。どんなに良くても。あなたや私の小説も大企業の新商品もまず伝えなければ手にとってもらえない。どんなに大人気の商品も0から始まる。
ではまずカクヨムでの一般的な状況を確認するために私の作品を例にしてどのくらいの人数に知らされているだろうか。考えてみよう。
現在、私はしっかりと作品投稿をはじめてから4か月ほどで嬉しいことにカクヨムでのフォロワーが25人くらいいる。カクヨムでは新作を公開するとフォロワーに通知がいく。そしてフォロワーの皆さんの何人かが読む。時には☆をくれる。☆付けると付けた人のフォロワーさんに通知がいく。
また新着作品はカクヨムのトップページに表示される。そこから見ている人は少ないが体感だと5人くらいは来てくれる。
おそらく私が作品を公開するとフォロワーさん、☆からの閲覧、トップページ、おおよそ平均60人くらいの目に触れる。その結果私の作品のPV数は平均すると30くらいだ。
カクヨムトップページで見かけた方や通知がいった方の半分が読んでくれている。とんでもなく嬉しいことである。目に触れた人の半分が見ているなら上々だ。はじめからそのくらいの数字を目指している。だから私は傷付かずに現状に満足している。
自分の状況について考えてみてほしい。例えばあなたが登録したばかりでフォロワーが0だとする。または実験してみても良い。すでにある程度数字を伸ばしている人はカクヨムで新規アカウントを作ってフォロワー0の状態で新作を1本投稿してみてほしい。
誰にも通知がいかない。おそらくあなたの作品はカクヨムトップページの新着作品でしか出会えない。時間帯によっては1分後には流れてトップページから消える。せいぜい20人くらいしか目に映していない。なので0PVでもおかしくない。その状態で例えば10PVあるとしたらかなりすごい。
10PVでは喜べないと思うだろう。書いた時間や労力を思い出して悲しくなることは理解できる。だけど表示数、見た人の数を考えれば自然なことだ。
みなさんを慰めるために恥を晒そう。
美容室の広告の仕事をしたことがある。ポスティング広告を例にしよう。ポストに3000枚チラシを投函して何人のお客さんが来てくれるか。美容室の場合は1〜3%が実際の効果だ。3000枚投函して30人でもおかしくない。さて30人のうちどのくらいの人が2回目また来てくれるか?だいたい3割くらいなので9人。3回目、4回目も当然減る。プロが写真を撮ってプロがデザインしてプロがお店で髪を切る。それでも3000枚のチラシから常連客が3人生まれたら悪くはない。実際は獲得した常連客や最初の30人が口コミを広めて新しいお客さんを呼ぶ波及効果狙いなのだが、それでも大人の全力本気の3000枚で直接的な効果は30人。そんなもんだ。投函数の5%を超えたら超一流である。
数字に傷付く人は世の中の実際のところを知らない。中身がどれだけ良い作品であっても読者に読んで頂くまでには壁がある。そもそも私たちの作品はそれほど多くの人の目に触れる仕組みになっていない。
自分の作品がどれくらいの人の目に触れるか?だいたいで良いので数えてみてほしい。実に少ないはずだ。そのうち何人が読んでくれるか?一般的な想像よりずっと少ない割合になる。例え広告のプロでも似たような結果になる。そこをしっかり理解すれば今のあなたがそれほど悪い状況ではないはずだ。
まずは自分がどれくらい人の目に触れて、どれくらいの数字で上々なのかを把握して傷付くのをやめよう。
心に刻んでほしいのだが0から進むその過程は素晴らしい経験である。何者でもない自分が誰かの心の琴線に触れて、ファンを少しづつ獲得していく。その経験はあなたの決して折れない軸になる。その過程がゆっくりであることはむしろ幸せだと思う。
なので数字に傷付きやめてしまうのはもったいない。あなたはほぼ0だ。だけどこれからかけがえのない素晴らしい経験をする。これはカクヨムや随筆だけでなく人生のすべてに言える。だから心に刻んでほしい。
何をするにもまだ小さな活動の時期、あなたは誰もが通る大切な道筋を辿っていることを思い出して落ち着いてほしい。そして0から考えていこう。今が案外悪くないことを理解して少しづつ前に進んでいこう。
大切なことを繰り返そう。プロの広告でも3000人に配って30人呼べたら悪くない。一方あなたの作品はおそらくフォロワー+20人くらいの目にしか触れていない。そこで何PVあるか?初めたてなら0でもおかしくないし10あればかなり良い。あなたはすでに案外すごいかもしれない。悔しいがカメラマンの私とデザイナーさんと美容室さんの全力よりもすでに良い結果かもしれない。あなたはすでにプロに勝っているかも。
ではしっかりと自信を取り戻したことだと思うので、気持ちが冷めないうちに次の章で具体的に0から数字を増やすための下準備をはじめよう。
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