第一話
どうも俺だ。
突然ですが今の俺赤ちゃんになっている。
なあぜなあぜ?
そういえばこんなネタが50年くらい前に流行ってたような。(俺が死んだのが2072年だから)
そういうのはとりあえずどうでも良くて、端的に説明すると、死んだと思ったら西洋風の豪華な部屋で目覚めたら赤ちゃんになってのだ。
な(以下略)
今俺は母に抱きかかえられている。
それを父が優しく見守っているが、俺が泣かないことに周りのみんなはひどく驚いている様子だ。
仕方ない。
一肌脱いでやろう。
耳の穴かっぽじってよく聞いていてくれ。
「おんなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
「「「「!!!!????」」」」
「まあ、元気な子!」
「ああそうだな、しっかり泣いてくれてよかった!」
なんとかなったっぽいしまあいいとしよう。
迫力が強すぎたのか父と母以外は腰が抜けて立てなくなっちゃっている。
しかし、さけんだからか、とても、ねむたい。
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どうも俺だ!
翌日になったのだが、赤ちゃんの本能に逆らえないのか乳を飲むことに抵抗はないっぽい。やったね!
生まれたばかりなので体がほとんど動かせないのは辛いな。
話は変わるが、おそらく俺はイセカイテンセイというやつをしたんだと思う。
俺は一回死んだし、何よりこの体であることに説明がつかない。
この世界には魔力も存在するので、同じ世界の違う惑星とかなのか?
考えてもわかることではないので、とりあえずもう寝よう。
ちなみに今目の前で父と母が未だに名前決めで議論している。
「アドルフ!」...ヒトラー
「なんか物騒よねえその名前」
「じゃあベニート!」...ムッソリーニ
「「やっぱり何か違う」なぁ」わねぇ」
どっちも右手上げてる独裁者じゃねえか。
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どうもレオハルトだ。
みんなからはレオと呼ばれている。
一応この世界に生まれてから早三年がたとうとしている。
今世ではシリウス侯爵家というところの長男だ。
だんだん体が成長してきて、容姿は、黒髪赤目で、顔はすごく可愛い。
3歳なのにイケメンになる予兆がする。
メイドの人たちに毎日もてあそばれて可愛がられている。
あれから時間が経ち、この国の言語もある程度わかるようになったのでここ最近は家の図書室に引きこもっていた。
そこでわかったことを、ここにまとめておこう。
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この国はカリスト皇国といい、この惑星にある3つの大陸のうち、一つの大陸の西半分を持つ大国である。
この大陸はカザリス大陸といい、大きさはだいたいユーラシア大陸と同じである。
3つの中ではダントツに一番小さい。
東側は5つの小国が点在していて、北から順にローム王国、シリア公国、ザクロス獣人連邦、イリア竜王国、エルポート魔王国でわかれている。
今はローム王国とシリア公国が戦争しているそうだ。昔ローム王国からシリア公爵家が出たことで国が分断したことを、なんどもこじつけて戦争しているらしい。
二番目に大きい大陸はノーマンド大陸といい、主に魔人族が住む土地だ。
魔人と言っても、人間に比べて魔力適性を持つ者が圧倒的に多い中、大量の魔力を扱える場合の者はとても少ないという特性を持つ。
この大陸はちょうど4等分されていて、4つの王国がそれぞれの方角にあるそうだ。
ちなみに仲の良さは昔からとても悪いと歴史書にも書いてある。
最後の大陸。この大陸はノーマンド大陸に中国を足したくらいの大きさだ。
しかしその国土に比べて、情報は圧倒的に少ない。
その大陸に踏み込んだものはそれが最後と言われている。
別名暗黒大陸。
こう聞くとユーラシア大陸が3つあるように聞こえるが、この惑星は地球の三倍の大きさがある。
重力は?となるけどご心配なさらずに。
月も白ピンク緑の3つがあるのだ。
この星を公転する際にうまいこと噛み合ってバランスが取れているらしい。
まるで三色団子のような。
とりあえず暗黒大陸行きたいな。
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さて、今日は俺の3歳の誕生日だ。
この惑星の者達は3歳になると魔道具を用いて
魔力適性があるかどうか、
なんの属性がいくつ使えるか、
体と精神が受け入れる魔力量はどのくらいか(許容魔力量)
これらがどのくらいかを調べるらしい。これを“鑑定の儀”という。
俺はこの体で生まれたときから魔力を流している。
間違いなく魔力適性はあるだろう。
許容魔力量はこれからどうにでもなる。
問題は「属性」だ。
前世では属性という概念はあったが、それだけしか使えないなんてことはなかった。
図鑑によると生まれたときに体内の血管の形がうまく重なると、その属性が使えるようになるらしい。
これを“魔脈”と言う。
しかし前世ではそんなことなかったぞ?
手を出してそこに魔力回路を敷けばなんだってできたのだが。
こればかりは要研究だな。
ようやく準備が整ったらしい。
俺の名が呼ばれる。
「レオハルト・ノヴァ・シリウス様、どうぞこちらの椅子へ」
教会の司教が椅子を引く。
その隣には木で作られた枠組みに、大きな石が3つはまっている。
どうやらこれで測るらしい。
「頑張りなさいレオ!」
「頑張って、応援してるわ!」
椅子に座ると司教が魔法を唱える。
同時に侯爵家の屋敷とその一帯を閃光が襲った。
目がイカれたあと、周りの人たちが大騒ぎしだした。
「なんだあの光の量は?!!??!」
「いやあの量はありえない!故障か?!」
「前代未聞だぞこんな適性!?」
「静粛に」
父が威厳いっぱいにそう言うと騒いでいた神官たちはすっともとに戻った。
「司教、結果を詳しく教えてくれ」
「――はい、魔力適性と許容魔力量の魔石は跡形もなく割れてしまいました、故障の場合でもこんな例は今まで一回もありません!」
「では息子は魔力適性も許容魔力量も恐ろしく高いということだな?」
「ッはい」
「では、真ん中にある“属性”の魔石は?」
そう。
真ん中の石だけ光もせず割れることもなかったのだ。つまり、、、
「魔術が使えないということではないか...」
その日から俺の生活からはだんだん愛がなくなっていった。
今俺に当てられているメイドは、二人の白狼獣人と黒狼住人であるシロとクロだけになった。
執事もセバスチャンという、すでに騎士を引退した白髪のおじさんだけである。
親達はあの日から俺を他人のように扱い、日々子作りに励んでいるようだ。
家の使用人たちは俺を蔑むような目で見てくる。
影でヒソヒソと陰口言ってることも全部聞こえてるからな?
女の子たちとのキャッキャウフフ幸せダラダラ生活という夢は、早くも遠くへ行ってしまったようだ。
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【鑑定の儀直後】
「「「「「!!!!!!!!!!!!!!?!?!!?!?!?!?!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
「今のは雄璃くんの魔力!!!」
「雄くん、いるの?」
「雄璃さん、待っててください!!!!今迎えに行きますからねぇ!!」
「雄璃雄璃雄璃雄璃雄璃雄璃雄璃雄璃」
「雄殿...無事だったのか?!!?今向かうぞ!!!」
何万光年も先で誰かが共鳴し合っている。
なぜ雄璃ことレオが今世で女の子とのキャッキャウフフな生活を望んでいるのか。
なぜなら、前世ではの周りに「普通の」女の子がいなかったからである。
それは己が生み出した兵器も同じである。
彼が作り出した兵器は普通じゃないのだ。
とある宇宙空間。
「ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ」
大和魂を背負った超巨大戦艦が汽笛を鳴らす。
宇宙空間でも魔力を使うことで音を伝えられるのだ。
そこから3つくらい銀河を超えたところのとある宇宙空間。
「ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ」
そこからまた離れたところ。
「ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ」
そのまた、、、、
この流れがようやく9回目で終わった。
彼らもその金属の身を彼に捧げているのである。
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