第9話
「し、失礼します。」
受付の人に通された部屋に入る。
どうやら、密談のようで受付の人は中に入れないらしい。一緒についてきてほしかった。密談とか怖すぎる!
「お待ちしていました。冒険者の薫さん…ですよね?」
「はい。そうですけど…」
目の前にいるのは…
エミリー…?
いやいや。ここでは私は薫なんだから、秘密にしないと。
「お久しぶりです。お嬢様。」
「えっと…?」
とりあえず、とぼける。
こう言う時ってどうすればいいの?
「本当に久しぶりです。ルーキントス・リンリトス様。」
「えぇ! 私はルージュ・リリィですよ!」
……あ。
「お久しぶりですね、お嬢様。」
「ううぅ。久しぶりですね、エミリー。」
しまったぁ……
「あはは。とぼけても無駄ですよ。何年メイドをやってると思ってるんですか。」
「そ、それはそうだけど…」
「それで、お嬢様。私と共に冒険者をやりませんか?」
「え? 私を連れ戻しにきたんじゃないの?」
エミリーは、家の人間だ。お母様に命令されたのだと思っていた。
「まさか。メイドはもう辞めました。」
「えぇー! どうして?」
「まあまあ、いいじゃないですか。」
エミリーは私をそう宥める。
「さぁ、一緒に冒険しましょうか!」
「は、はい…?」
次の公開は155PVです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます