第一章

第4話



「ふわぁ。おはよう。」


 私は、道端の野良猫を愛でながら挨拶をする。


「ニャー!」(最近は人殺しが多くて物騒ニャー)

「そうかそうか。元気でよかった。」

「ニャッ!?」(意味不明…)


 私は、ルージュ・リリィ。戸籍はまだない。

 嘘です。ついさっき、貴族家で死んだことにしたので存在しないだけです。


 これから、どうしようかなぁ?

 わざわざ、自由になるためだけに死んだふりをしたんだから、どこか冒険に行きたいよね。


「お、冒険者協会があるじゃん?」


 確か、冒険者協会の会員証は身分証代わりになったっけ。


「よし。登録しよう。」


 冒険者教会へ向かうことにした。



╋┃╋┃╋┃╋



「ごめんくださーい!」


 冒険者協会の中は、酒の匂いで充満していた。まあ、そんな気はしていたけどね。


「おいおい。いつから冒険者協会は誰でも受け入れるようにやったんだよ。」


「あれ? だめだったっけ?」


「まあ、制度的には問題ない。でもな、死ぬ覚悟も持たないようなちびっ子が来ていい場所じゃないさ。」


「そう? 私、一度死んでるんだけど。」


「は?」


 刹那、あたりに血が飛び散る。私がナイフで首を切ったからだ。


「おいおい。何だよこれ…!」


「え? 私の血だけど?」


「いくらいっても覚悟決まりすぎだろ…?」


 怯えた男を押し除ける。


「じゃあ、通してもらうね?」


「お、おう。」


 多少は突っかかられる気はしていたから、円満(?)に終わってよかった。

 奥の受付に向かう。



 次の公開は欲張って35PVです!

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