第4話 最後の犠牲者(二)
「おい…
「大丈夫か?
「すごい
稔流は少し遠い目になった。でも、
「…どうにかする」
「どうやって、…」
稔流のきつね色の
「いつも大彦君を
――――追い出されるのは、俺じゃない。
でも、追い出すだけじゃ、意味がない――――
男子19名、女子16名。男子は5人ずつ走って最後は4人という4組。女子は4人ずつで
稔流はざっと計算した。1回目と2回目の間に稔流が
50メートル走は
「
稔流は2組目なので、すぐ走ることになった。
「11.5秒?
ふざけてなどいない。今のが全速力だった。
稔流はあまり走ったことがないのだし、以前
(もう、1ヶ月会ってないな……)
両親が先に
(稔流、すごいぞ!
ふと、
(でも無理は
さくらなら、笑って
さくらは、稔流をとても大切に思ってくれているから。
幼い日の稔流を苦しめた河童と狐に
「稔流君」
走って近付いて声をかけてきたのは、
(うん…ごめんね。噂なんて気にしないようにすればいいって思っていたけど、稔流君がイヤなら無理に一緒に座らなくていいよ)
きっと、本当は
(でも、友達でいてね。他の友達と同じようにするから)
それで
狭依は稔流を嫌いになった
「稔流君…苦しそうだよ?もう休んで、1回目のタイムで記録して
「…どうやって?」
稔流は、
その瞳に、金色の光と
「
狭依は、立ち
――――稔流君じゃ、ない…?
「でも、何かあった時には証人になってね、狭依さん」
……ううん、これが稔流君だ。本当の――――
稔流の息が完全に整う前に、2回目がやって来た。
「稔流!ボケッとしてないで位置に付け!」
「…………」
好きに言えばいい。
――――だって、もう、これで終わらせるから。
スタートから、稔流は少しの手抜きもなく、全力で走った。
苦しい。ヒュウ、ヒュウ、と
「今度は12秒か?本当にのろまだな」
その
稔流は、
(苦しい。苦しい、苦しい――――)
ヒュウ、とやっと息を吸った。でもすぐに
「この
大彦の
「おい!
大彦は
「
天道村は救急車を
その待機時間に
「稔流!お前の父ちゃんを呼んだ!!来るまで頑張れ!!」
稔流の耳に、大彦の声は聞こえたけれども、苦しみの
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