第7話 連れて行かれる子供
「
声をかけられ、
女の子だった。名札を見ると『五年二組
今日は
「うん。朝は始めに
大体は、両親が
でも、稔流の両親は、変に気を
稔流は、両親を
どうして、傷付けられた側の稔流の方から会いたいと思って会いに行くと思っているのだろう?子供は、親を恋しがって
「ったく、気を
「何か言った?」
「あ…、
うっかり声に出てしまった。今日は
以前の自分はこんなんじゃなかったのにな…と稔流は思った。前の学校では、
自分が変わってしまったのは、さくらや
それとも、ズバズバと本質を突き、
――――
「私も同じバスなの。稔君の家の近くだから」
天道村の
だが、この場合は村の外でも常識的な
「あの…、お
「お
深々と頭を下げると、
「気にしないで。この村では、子供がお葬式に行くのは良くないって言われているから」
「……?
「ううん」
狭依は小さい声で答えた。
「10歳に
稔流は、
「俺は10歳だけど?」
「神隠しは、10歳に届かないっていうのは、昔は数え年のことだったんだけれど…いつの間にか満10歳までになっていたみたい。でも、天道村は神様への
「…………」
(――――どうして、今なら村に行ってもいいんだろう?)
(5年もの間、多分わざと、村から遠ざかっていたのに)
(お父さんとお母さんは、一体何を避けていたんだろう?特に、お母さんは…)
(一体、何を怖がって、何から俺を守ろうとしていたんだろう――――?)
稔流の中で、やっと、パズルのピースが
数え
でも、今は
稔流は満10歳になったから、もう神隠しには
そして、父よりも母の方がより強く天道村を避けていた理由は…
――――お母さんが、自分の
稔流が
でも、母も何かしらの理由でその場には
――――お母さんは、神隠しのことも、自分が悪かったと思っているんだ――――
神隠しなんて、もう伝説とか昔話とか、その
家に
誰もがそう思っていたのだから、誰も悪くなんかないのに。
「稔君、どうしたの?
「大丈夫だよ。…少し考え事をしてただけ」
「…あまり気にしないでね。……たっくんのこと」
たっくん?って誰?と思ったが、すぐに
「ああ、二の
「うん。ちっちゃい
「だから何?」
稔流が
多分、優しい子なんだろうなと稔流は思った。でも、また稔流が
「もう
と本当に終わらせたのだが、
「おい、稔流」
「さ…」
…じゃない。心の声で言い直した。
(さくら、どうかした?)
「どうかしたかどうかは、自分の目で
さすがに心配していたのだが、さくらはいつの間にか稔流の
稔流は、さくらが言った通りにチラリと周囲の様子を
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