第5話 狐の子(二)
「《僕》と同い年なのに、
「別に…。俺は何となく
「誰に聞いたの?
祖父が口にしたとは知られないように、祖父の
「《僕》が教えて
おとなしそうな転校生が、東京から来た
笑いながら――――笑っていない。
「教えてよ。誰が
「…………」
簡単に
「うーん…、拓君が思い出せないなら、
「ああ、そうだ。拓君は
「……。二番目……」
「ふうん、そう。《僕》の
やっと安心して、
目の前で、きつね色の髪と瞳の少年が微笑していた。そのきつね色は金色に似て、この世のものとは思えない何か、に見えた。
金色の瞳が、全てを
全ての
――――人間じゃない。
――――神様が、いる。
神様が、怒っている――――
金色の目がスッと細められて、狐の子が
「……次は無いよ」
この
「先生」
稔流は何事も無かったかのように
「《僕》の席はどこですか?」
31人クラスなのに、どういう訳か空席がランダムに五つある。
「あ、俺の
座っていても長身だとわかる少年が、手を
「俺も質問。稔流の好きな女のタイプは?」
「……え?」
これは、予想していなかった。でも当然に、稔流の頭をよぎったのは、さくらだ。
さらさらした雪の糸の髪。同じ色の長い
色白の
全ての
「綺麗な人」
「…………」
学級委員の少年は、笑い出した。
「ズバリ言うなー。ルックス重視?」
「さあ…。女子も背の高いイケメンとか思ってるから、別に良くない?」
「それな。ってか背の高いイケメンって俺じゃん」
「そうだね」
稔流は、ノリの良さそうな少年の
「俺は、
さりげなく、稔流が最初に関わった
「うん、よろしくね」
稔流は、長身の少年の一回り大きい手と
隣を歩く
「さっき言ってた
「あー、長男とか、
つまり、大彦を
「王子って何?」
「アハハ、うちの家ってさ、天皇の前に
「案外
「あ?
雄太の目がキラキラになった。盛りまくったという
「王の
「そーそー、大王って書いて『おおきみ』で英雄な!わかってんじゃん!」
喜ぶ
こんなに喜ぶなら、本名よりも
(学校でも、友達が出来るといいねえ)
ふと、
(お嫁さんはひとりしか選べないから、女の子と仲良くなる時には気を付けた方がいいねえ)
これも大丈夫だ。
小学生でモテるのは、足が速くてスポーツが
大丈夫です、ひいおばあちゃん。
どこまで気付いているのかわからないけど、俺の花嫁さんはさくらだけです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます