第4話 狐の子(一)
天道小学校の児童の登下校は三種類。徒歩、スクールバス、自家用車等の
「天道小学校にようこそ!
担任は、長身と言うよりも
そして、祖父も気付いていないようだったが、この教師も稔流の首に『細長い狐みたいな何か』がくっ付いているのは見えていないようだ。
「はじめまして。よろしくお願いします」
稔流はおっとりと
「先生、こちらが先日稔流の父がお話ししました
祖父は
「まあまあ、この村は自然に
心配顔の祖父に、教師は
…すぐに?と稔流は引っ
医者である稔流の父ですら、治る「かも」しれないとしか言っていないのに、軽はずみだ。
楽天的な性格で
「少しは運動した方がいいぞ!これから一緒に
体育会系のノリで背中をバンバンされた。その
「よーし、みんな元気に全員
担任が黒板にでかでかと稔流の名前を書いている間に、稔流はざっと教室を
稔流も
この村は、
今、稔流の
このクラスに稔流が
うわぁ…と稔流は頭の中で
男子だけでもクラス全員でもどっちも
(出来るだけ
稔流は、さくらの声を思い出した。だから、
「
稔流は、短い自己紹介の中に、代々村の
村の
ルーツは天道村の
だが、
普通の判断力を持っていれば、この四つのキーワードを持つ稔流にわざわざ
「しつもーん!」
ひとりの男子が手を
「神隠しって、どんな感じですかー?」
「知りません」
そう言えと、祖父が言った通りに答えた。
《神隠し》に
でも、本当に《神隠し》なのであれば、その子供は神様に気に入られて《神様の子》になったか、
稔流は、
稔流のように帰って来ることが
そして、ごく
一 神様が再び村の
二 神か妖怪に
神隠しのことを持ち出したのなら、相手は稔流を『
「でもさー、行方不明になったよな?大人がみんなして
「
「えー?1泊とかないだろ?1週間くらい帰れなかったじゃん。そういうのって《神隠し》って言うんだよ」
「…………」
(
(心優しい貴種は
……ごめんね、さくら。
やっぱり俺は、心優しくはなれないみたいだ――――
「神隠しって何だ?稔流は小さい時に行方不明になったのか?」
担任は、この場の
稔流は、にこっと笑って担任に言った。
「先生。これは村の人だけの話です。《外》に帰る人は、知らない方がいいですよ」
そして、神隠しの質問をした男子を見て、稔流はきょとんとして
「名前、教えてくれる?」
「…え?
「そう。
稔流は、
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