第5話 人ならざるもの(一)
どのくらい、時間が
8月の空とは違う、少しけぶった春の空を
さくらもまた、
その黒い
「
そう
くるくる、ひらひら、花びらは風に
「ふぅん…?」
さくらが、さらさらした髪を
「また、髪が
「えぇと…、髪の毛だけじゃ、ないよ?」
確かに、白い髪は肩にかかるくらいだったのに、胸まで
そして、
「何で、俺と同じくらいの身長になってるの!?」
「
さくらは、親指と人差し指を開いて『このくらい』を見せてくれた。多分、5センチくらい。
「
「
「子供でも、一応男の
稔流と同じような早産の子供達でも、大体6~9歳くらいで差が
「この村の昔のしきたりからするに、私は数え九つほどの
数え七つというと、満年齢なら5、6歳で、
そ して今、数え九つとすると、満年齢で7、8歳ということだ。
「村のしきたりって?」
「親やら
さくらが言うには、数え三歳から始まり、数え十五歳まで。今では実年齢で行うことも多いが、昔は数え十五歳で成人と見なされた。
「
「…………」
稔流は、
村の
本当は引っ越しなんかしたくなかったのに、両親の身勝手な里帰りに自分の
でも、父がこの村の医者になることを
「子供はこの世に生まれてから日が
「え…?さくらは、俺を助けにきてくれたのに」
「昔から、
さくらは
「稔流を助けたのは、私にとって稔流が特別な子供だったからだよ。そうでなければ知ったことではない。人の子ひとり生きるも死ぬも、私はどうでもよいからな」
……そうだ。これが、人ならざるもの、そして神に近いものであるさくらだ。
「
「…………」
(俺が特別だったのは、さくらが助けてくれたのは、ただ
「いたたたたたた!!」
「勝手に
「わ、忘れてないけど!そんなに耳を引っ張らなくても、」
いいだろ、と言い終わる前に、さくらは稔流の耳を放してくれた。
「
「…………」
「初めてで、…このまま最後になる」
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