土地

ハクアイル

第1話 遺骨、寺、子供の声。そして呼ぶ手。

 これは自分が幼かったころ。

 親戚の家に遊びに行き、泊まった時の体験です。

 全て事実の体験です。


 その日は、長い連休の合間に親戚の家に泊まり、遊びに行った時です。


 その場所は、山を切り開いた中腹に存在していました。周囲には団地といえるほど家が建てられていました。


 その中の一軒家。

 そこに私の親戚は住んでいました。

 小さくも大きくもない家。二階に子供部屋。

 一階には夫婦の寝室と和室、リビングダイニングがありました。


 その日は、親戚とTVゲームをしたり、カードゲームをしたりと楽しく過ごしていました。


 そしてその夜。


 二階の東側にある部屋で寝ることになりました。

 ちょうどその部屋は、窓がひとつ設えられカーポート、門扉などが見える場所です。

 当然ベランダなどは南側にあり、自分が泊まる部屋の窓の外には何もありません。


 遊び疲れ、夜も遅くなり、布団に入り眠りにつきました。

 

 元々私は霊感というものがあり、霊体など時々視えたりもします。こう言った中、起こりました。


 私は深夜というべく時間に目を覚ましました。

 時計は1時30分頃だと記憶しています。

 トイレに行きたくなり起きました。

 しかし、部屋の扉の右下隅の床から人の手が出ていました。その手は青白く、肘から上を出し、手招きをしていました。ゆっくりとゆっくりと……。

 

 それを見た私は親戚を起こしました。

 すると親戚も視えたらしく、固まっていました。

 それは当然なのでしょう。私と同じくらいなのですから小学校低学年です。


 私と親戚は恐怖を感じ、一斉に持っていた枕をその手目掛けて投げました。すると呆気なく消えました。

 これに安堵したのですが、今度は窓の外から瓦屋根を走る音と、子供の声が聞こえてきました。


 言った通り、この窓の外には屋根などありません。ですが聞こえるのです声が。それも複数。


 カーテンには動く影も見えます。

 何も無いはずの場所を行ったり来たりしているのです。

 私と親戚はもうどうしていいか分からず眺めていました。そうして数分。何事もなかったかの様に静まり戻っていました。

 

 私と親戚は怖くて布団を被りそのまま寝てしまった様です。翌日、おばさんにそのことを話しました。

 すると、おばさんもほぼ毎日枕元に座り、お経をあげるお坊さんが現れていたと言っていました。


 この体験はこの親戚の家だけでは終わらなかった様で、この後も親戚の家族にどんどんと不穏と言えることが起こりました。

 

 私の親戚の高校のお兄さんは、何故か同級生から嫌がらせを受けた挙げ句、近くの神社の境内に危害を加えられ埋められる寸前までいきました。

 何とか寸前で収まったのですが、これは警察のお世話にもになりました。

 これを行おうとした同級生は事情聴取でこう言ったそうです。

「──そうしないといけないとしか思わなかった」


 訳が分からないことを言ったそうです。

 その後もケガや事故、破産など様々なことが立て続けに起こりました。

 

 親戚はこの異常に、お祓いにいったそうです。

 そこで言われたのは、『今住んでいるところから引っ越しなさい! でないと、今度は確実に命を奪われますよ!』です。


 この事をきっかけに親戚はその場から引っ越しました。その後は何もなく普通といえる生活を送れ、現在まで元気です。


 後に、親戚が住んでいる周辺で自殺や事故、不幸が立て続けに起き、その周辺のことや、親戚が住んでいた場所を掘り起こしたら、人骨が見つかったそうです。それも、一体や二体ではなく数十体。


 調べていくと分かったそうです。

 その昔、この場所には寺があり、無縁仏や複数の遺体があったそうです。

 この中で、親戚の家があった場所は寺の本堂があった場所だったそうです。


 



 

 

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土地 ハクアイル @Hakuairu

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