年末か、年始どちらになるか分かりませんが、1話程で完結できる話を書こうと思います(長くなりすぎましたら、2話程に分かるかもしれませんが……)。
その出だしの、ほんの少しを書かせていただきます。
↓ 題名は《魂チケット販売所》です。
↓
───◇───◇───◇───
───国立医療病院。
運命とは残酷だ……。
これが運命と言うものであるのなら──。
人は時に優しく時に残酷。
そして、時に狂う────。
人目につかない部屋の奥。
白衣を着て、首から聴診器を下げた中年の男とナースウエアを着た女が話していた。
聞き耳を立てる者がいないか再度確認すると──。
──ゆっくりと……
──静かに……
──漏れ聞こえない程の声で─────。
「この事はくれぐれも内密に……。外部に漏れれば、君も共犯だ……」
女は声には出さず、静かに頷くと自分達が犯してしまった、取り返しのつかない過ちを、過ちでは無くす為の手段を取った。
「501号室の患者さんは、『容態の急変により命を落とした……』──と言う事で宜しいですね先生?」
その返答に口元を緩ませると、「君はよく仕事ができる。頼もしいよ……」
──
────
──────……
───数時間後……。
病院の一室では、高校生程の少女が、部屋の外へ漏れ聞こえるほどの声を上げ泣いていた。
「……お母ーーさん! なんで……昨日あんなに元気……だったのに……」
その横では聴診器を下げた中年の男とナースウエアを着た女が立っていた。
「……手を尽くしたのですが、容態の急変に対処できず……」
神妙な面持ちをしつつ男は言っていた。隣の女は何も言わずにただ黙っている。
声を上げ泣く少女を残し、2人は部屋の外へと出た。
……男は口元を緩ませながら言う───。
「今回もいい実験だった……くっくっく……」
「先生……」
「──新薬には実験はつきものだよ。ただそれが、モルモットか人間の違いだよ───」
ナースウエアの女をステーションに返し、仄暗い廊下を歩き──男は不気味に……ニヤついた顔で呟いた…………。
「──これだから人を実験に使うのはやめられない……ヒィッヒィッヒィッ……」
その際はよろしくお願いします