三度、少しだけ?変わった日常 その1
双方帰宅部の私たちは、周りの目をさほど気にせずに帰りをともにした。
「一花ちゃんスーパーで何買うの」
「今日は卵が安いんです。コンビニより少し遠くのスーパーですけど大丈夫ですか?」
「うん、じゃあ行こうか」
先輩の手が私に向かって差し伸べられる。
「……お手?」
「鈍いなあ」
先輩はそう言うと私の手を繋ぐ形で掴んで引っ張った。
「こういうことしてると勘違いされますよ?」
「一花ちゃんにならされてもいいかも」
「刺されるのが嫌なので遠慮しておきます」
「何それ?」
「なんでしょうね」
今度は私から繋がれた手を引っ張る。
「早くいきましょ、売り切れなんてなってたら明日のご飯に困ってしまいます」
「そんなことないと思うけどなあ」
売り切れなんてならないという意味か、ご飯には困らないという意味か。考えるだけ無駄だと判断して私たちは歩き出す。
結果、残りは1パックしかなく、走ればよかったと後悔することとなった。
春のふたりは百合の中 瑠璃唐草 @Nemophila25
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。春のふたりは百合の中の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます