第7話 記憶の薬

203X年…


ここに一人、博士がいた。


なんかいろいろあって、人類滅亡を願っているらしい。



「できたぞ~!」と博士は声を上げた。


博士「この薬を飲むと、1日の記憶がなくなっちゃうんだ。

これをばらまけば、みんな悪いことに使って人類も滅びるだろう。」


透かさず助手が、

「悪いことってなんですか? あと、我々も人類ですよ。」と突っ込んだ。


それはさておき、作った薬『きおくなくな~る。1日』を道端に置いてみた。


隠れて拾うのを待っている、博士と助手。


助手「あんな所において、誰か拾うんですかね。あとパッケージ凝ってますね。箱を見ただけでどんな薬かわかります。」

博士「まあ、実験だから穏やかにやろう。」


と、どうでもいい会話をしていると、


一つの影が現れ、薬を拾っていった。


それは青年であった。


青年は「ひゃっほう」と声を上げた。


助手「なんか、ものすごい勢いで喜んでますよ。」

博士「どんな使い方をするんだろうな。変な使い方をしたら、後でニュースにでもなるだろう。」


そう言いながら、博士と助手は研究所へ帰っていった。




ここはゲーム会社。


ここで先ほどの青年が部下になにやら話をしていた。


青年「ゲームをプレイして、アンケートを書き終わったら、この薬を飲んでくれ。」

部下「はーい。」


どうやら、発売前のゲームをプレイしてもらって、ゲームの面白さなどのアンケートを取っているらしい。


青年は言った。

「次回も、ゲームのアンケートに答えてもらうけど、あらかじめ操作の仕方や謎がわかっていると、

正確なものがとれないからね。」


続けて、興奮気味にこう言った。

「記憶を消してもらうと、より良いアンケートが取れるぞ! 良いゲームが作れるぞ!」




半年後…


博士と助手が部屋でテレビゲームをしていた。


助手「最近、面白いゲームが多いですね。」

博士「人類滅亡させるのも、面倒になってきたな。」



と人類は救われたのであった。



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