第5話 アップデート付き住宅1~3

=== その1 ===


203X年…


よくわからない技術で、なんでもかんでもアップデートできる未来。


青年が「家を買ったぞ!!」と

自宅の前で喜んでいた。


青年は「自動アップデート付きって書いてあったけど、どういうことだろう。」と

気になりながら、自室で作業をしていた。


作業に夢中になっていると、家のどこからか『ゴゴゴゴ、ガタガタガタガタ』と音がし始めた。


青年が廊下へ出て、見回すと部屋へのどこが一つ増えていた。


喜んでいると、広告看板や自動販売機なんかも勝手に増えだした。




=== その2 ===


青年が部屋でビールを飲んで、くつろいでいると、

また「ゴゴゴゴ、ガタガタガタ」と音がして、部屋が増えた。


しばらくは喜んでいたが、

新たに広告や自動販売機が増えた。


青年はなんだか嫌になってきて、自動アップデートを解約しようと

電話をかけた。


しかし、担当者が言うには、解約すると今後一切の保障が無くなるらしい。


青年は困ってしまった。




=== その3 ===


青年は「くそう。こんな契約だったなんて!」と怒り、

スマホをテーブルに叩きつけた。


「しかたない。アップデートは有効にしておこう。」と腕を組みながら、

考えていると、どうもなんか変な感じがした。


何と言っていいか、わからないが見られているような気がしたのだ。




そわそわしていると、点けていたテレビからニュースが流れた。


「XYZハウス(住宅メーカー)の住宅で、顧客のタンス預金額の情報が洩れました。」


これを見た青年は、思わず声をあげた。


「うちの家のメーカーじゃん。なんでバレているの?」



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