15.5話 マッスルアイランドのアトラクション
『マッスルマッスル〜♪マッスルアイランド〜♪自分の体に自信が無い君も!筋肉に伸び悩んでいる君も!マッスルアイランドに来れば理想の筋肉が手に入る!』
マッスルアイランドのcmと共に流れてくる歌である。
もちろん遊園地内に流れるBGMにもなっている。
そんなわけで吉田先輩とも合流したから遊ぶ時間だ。
まず僕達はジェットコースターに向かったのだが、これは待ち時間が長すぎたのでネズミの国にあるパスと同じシステムのアレを使う事にした。
ということでジェットコースターまで時間が空いたのでそれまでに2つのアトラクションを体験した。
1つめはメリーゴーランドだ。
正直見た目のクセが強すぎて1番最初に目に入った。
本来なら馬に乗るところだが、
ちなみに
腕に乗って回る姿はシュールだった。
2つ目はお化け屋敷……なんだけどお化けがみんなムキムキなんだよね。
ムキムキな人魂に至っては心臓に見えた。
そうして次はジェットコースターだけど僕は乗らなかった。
足に刺激が入る可能性考慮したら怖かったからね。
ちなみにアトラクションの中では1番普通だったと思う。
……乗る部分が背中みないなデザインになってることを除けば。
飲食系は色んなサラダチキンとプロテインがあって見てて面白かったし美味しかった。
ご飯物は魚系、ピザ系、ガッツリ肉系と色々あった。
ちなみに無料のドリンクバーならぬプロテインバーもあった。
色々なボディビルダーさんことスタッフによるショーも面白かったしイメージキャラクターの背筋君も可愛かったな。
背筋君にポーズしてーって言うと顔が鬼に変わるのも良かった。
そんな一癖も二癖もある遊園地だったけどいい思い出になったな……
自分がもう少し幼かったらきっと今日のことを絵日記に書いていたことだろう───
────────────────────
これは観覧車での出来事である───
「わー!いい景色だね?」
「そうですね」
二人は隣同士に座りながらそんな会話を交わす。
「京子先輩、今日……楽しかったですか?」
「うん、とっても楽しかったよ」
普段ならグイグイくる大樹だが、今ばかりはそうもいかなかった。
好きな相手と観覧車の一室という狭い空間にいるのだ。大樹とて緊張はするのである。
そうして観覧車がついに最も高い部分へと差し掛かる。
「あ、大樹見て!すごいよ!」
京子により高いところから遊園地を見るように促される。
「これは……1人の
高いところから遊園地全体を見渡すことで二人はこの遊園地全体が1人の筋肉になっていることに気づいたのだ。
それは最初に貰ったパンフレットでも分かることではあるのだが、改めて景色として目に焼きつけるそれは感服する景色であった。
「今日は色んな筋肉が見れて良かったなぁ〜大樹が誘ってくれたお陰だよ、ありがとうね」
観覧車が既に終わりに終わりに差し掛かろうとしていた時に京子がそう口にすると───
「京子先輩!」
「大樹どうしたの?」
大樹は1度深呼吸をするとそれを口にする。
「俺は!貴方が好きです!あなたの優しい筋肉とカッコイイ筋肉も……引き締まった筋肉も貴方の全てが好きなんです!
俺……今日、先輩が他の人見てるの思って正直嫉妬してたんです……」
「……」
京子は口を出すことなく真剣に
「京子先輩に俺だけを……俺の筋肉だけを見て欲しい!触って欲しいんです!
まだ俺の筋肉は京子先輩にも劣ってるなのも分かってます!他にもっとすごい
いつか貴方が他の筋肉が見えなくなる位鍛えるので……どうか俺と付き合ってください!」
大樹がそう言うと手を京子に向かい差し伸べる。
───京子がその手を取ると……
「観覧車、着いたみたいだよ?降りよっか」
どうやら終着に到着したらしい観覧車から降りようと手を引いた。
「……そうですね」
『あぁ…だめだったか』と大樹が思っていると涼が口を開き一足先に変える旨を伝えてきた。
涼も居なくなり二人きりとなった時、京子により一つのベンチに座ろうと促される。
そうして座ると京子がゆっくりと大樹の方を向くと───
「告白してくれてありがとうね。
大樹の気持ち嬉しかったよ」
「……」
「でも大樹は1つ間違ってるよ」
「え?」
「大樹は自分の筋肉が私に劣ってるなんて言ってたけど筋肉に劣ってる劣ってないなんでないの。どんな筋肉にも、その筋肉のいい所があるから、だから私はどんな筋肉だって好き。」
「京子先輩……」
「だからさ、私の為に筋肉を変えようなんて言わないで?」
京子はそう口にすると大樹に手を差し出す。
「京子先輩……?」
「私も大樹の事が好きだよ、手取ってくれないの?」
「俺で……いいんですか?」
「大樹がいいの」
「京子先輩、好きです、俺やっぱり誰よりも京子先輩のことが好きです……」
「……ふふっ、知ってるよ」
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