15話 僕の友達に春がきた!季節は夏だけど①

『マッスルマッスル〜♪マッスルアイランド〜♪自分の体に自信が無い君も!筋肉に伸び悩んでいる君も!マッスルアイランドに来れば理想の筋肉が手に入る!』



海に行った次の日、僕は今……遊園地にいます───



「……」


朝目覚めたら僕のスマホには公式を除く相手から2件の連絡が届いていた。


1件は昨日の水町さんを夏祭りに誘ったときの返信であり、その内容は

『いいよ、8月21日にの夏祭り恵ちゃん誘っておくから立花君もお友達誘ってきてね』

というものだ。


本音を言うと二人で行きたかったが、

「二人で行こう」と誘ったわけでは訳ではないし、第一に断られなかっただけ良い方だと考えることにする。


それはそうと、水町さんの勘違いについては相変わらずで……僕の意中の相手は未だに加納さんだと勘違いされているらしい。

まぁこれに至っては夏祭りの時に告白するのだから時期に解決する問題だ。


そうして僕は2件目の方に目を向けるとそれは……からのものであった。

大輝とは筋肉の相談相手としてたまに話す位なので今回はどんな相談かと思い内容を読むとそれは予想の上を行くもので───


『マッスルアイランドのチケットが1枚余ったから予定が空いてるなら来ないか?』


……なんてこった。

マッスルアイランドと言えば今超話題の最近できたばかりの遊園地ではないか。


その人気ぶりは凄まじい物で、それは現時点では入場に必要なチケットも完全予約制となっている程だ。


『チケット手に入れるの大変だったろ、僕が行ってもいいのか?』


それこそ女の子でも誘った方がいいだろうと思った僕はそう質問する。

まぁ……筋肉にしか興味がない大輝に誘える女友達がいるのかは疑問ではあるが。


『運良く抽選が当たったんだ!それにチケットは3あるからな!』


抽選……その言葉を見て筋肉アイランドについて検索してみると毎日抽選で5名に

「3人ペアチケット」が当たるイベントが少し前から開催されていることが分かった。


それにして複数に分けてあるとはいえ5名か……抽選に参加している人数の多さを考えると大輝の運の良さに感服だ。


でも3人ということは優太も誘うのだろうか?


〈写真〉


大輝からチケットの写真が送られてきていた。

そしてチケットにはどうやら日付が書いてあるようだがそれは……ん?これ─────

今日じゃん!



そんな訳でいきなり予定が入った僕は遊園地ことマッスルアイランドにいます。

ちなみに今日は父さんが忙しかったからバスに乗って来た。


「おーい涼!こっちだー」


この耳に響く声は……


「よ!大輝に───」


声が聞こえた方に視線を向けるとそこに居たのは腕を振る大輝と……優太ではなく、

身長は160cm程、黒髪の綺麗な髪をポニーテールにして纏めている美人な女性であった。

いや誰ですか?


「初めまして!君が優太君だね?話は大輝からよく聞いているよ」


女性は芯のあるよく通った声でそんな事を言う。


「あの……あなたは?」

「む、もしかして大輝からは何も聞いていないのか?」


その言葉に素直に頷く。


「あー……悪い涼、紹介し忘れていたが京子先輩は肉体改造部の部長なんだ!」

「え?」


いやほんとに「え?」なんだけど。

この人が肉体改造部の部長?

いや……そう言われて改めて見ると腕と足が引き締まっているというか完成されている。


「自己紹介しよう、私は吉田京子よしだ きょうこ!3年で肉体改造部の現部長を努めている!」

「吉田先輩、こちらこそよろしくお願いします。僕は1年の立花涼です」

「うむ、涼くんよろしく頼む」


そんな感じでお互いに自己紹介を交わす。


「とりあえず、遊園地に入ろうか」


そう言う吉田先輩に僕と大輝は続いた。


『はい、チケットの確認をさせていただきます……OKです。ではご入場下さい』


そうして園内に入ると……人が溢れている。

ちなみに入場時に貰ったパンフレットの情報では東がアトラクションゾーン 、西がジムゾーンとなっているらしい。

アトラクションゾーンでは普通の遊園地同様に遊ぶことがメインとなっているらしいがジムゾーンは色々なジムが配置されており自分の鍛えたい部位に沿ったトレーニングを遊園地のスタッフの手助けありで行えるらしい。

流石マッスルランドである。


「ちなみに、大輝はどっちのゾーンに行く予定なんだ?」

「アトラクションゾーンだな!」


……これは意外な答えだ。てっきりジムの方を即答すると思っていた。


「先輩もそれでいいですか?」

「あぁ、元々大輝が当てたチケットだからな!大輝の望む方に行こう」

「よし、今日は楽しむぞ!」


そう元気よく話す今日は大輝がより一層気合い入れてるように見える。



「ところで涼くん、君なかなかいい筋肉を持っているね……」


アトラクションゾーンに向かう途中、吉田先輩がそう話しかけてくる。


「そうですか?」


まぁ実際筋肉ある方だからな。

水泳をやっていた時に比べれば筋肉量は落ちたが足に負荷をかけずと出来るトレーニングはいくつでもあるのだ。

自分に合ったトレーニングをして筋肉を維持する理由はシンプルで僕は結構食べる方なため、トレーニングを辞めたのに食べる量がそのままだと体型がとんでもなくなるからだ。

この前プールに行った時に水町さんには褒めて貰えなかったが筋肉を褒めて貰えのはやはり嬉しいものだ。


「悪いんだが涼君の筋肉を触ってもいいかな?」


……ん?


「涼!逃げるだ!京子先輩は極度の筋肉フェチ!捕まったらやばいぞ!」


「え、ちょ───」

「あぁ…これはいい筋肉だぁ。うんうん、筋肉自体は大輝に劣るものの一つ一つが美しい───」



……逃げろと言われた時には手遅れというとので僕はあっという間に捕まると身体を吉田先輩にまさぐられることとなる。

普通に美人な人から身体をベタベタと触られるのとてつもない羞恥プレイであり流石の僕も恥ずかし───お?


「京子先輩!セクハラはダメだーーー!!」


大輝がそう言うと僕の手を掴み

───え、どこ行くの?
























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