11.5話 荷物はコツコツ持って帰るべし
も〜いくつ寝〜ると……夏休み!
今日は一学期の終業式である。
長かった……いやそこまで長くも無かったのだが。
こう……振り返ってみると一学期の内容は濃かった気がする。
水町さんの声に誘われて喫茶店に入ったり、運動会でもいい思い出が出来たな。
それに友達が失恋しかけたり……水町さんと連絡先の交換もしたりして。
久しぶりにプールにも入ったな……あれ?勉強関連の記憶がほとんどない。
まぁきっとそれ以外の内容が濃かったということだろう。
終業式と言えば校長の長い話を聞かないといけないんだよね……
この暑い季節、校庭での話よりは数倍マシだが体育館は体育館で暑い。
人も密集してるからね。
一応、扇風機みたいなのがあったり外からの風が入るようする、みたいな配慮はあるけどあまり意味を感じない。
せっかく教室にエアコンを導入しているのだから教室からリモートでやらせてくれたらいいのに……と思う。
終業式を終えたら後は掃除だ。
掃除では数ヶ月過ごして慣れてきた校舎に感謝を込めて床とか窓をピカピカに磨いてあげた。
ってことで帰りのホームルームが終わったら後はもう気をつけて家に帰るだけ。
さて帰ろう!
「う〜ん、どうしよう……」
ん?優太が唸って……ってなんだあの荷物!?
「優太、もしかして荷物全部残してたの?」
「いや……細かいのは持って帰ってたんだよ?」
「ダメじゃん……大きいのからじゃないと苦労するに決まってるだろ?」
「……」
まぁクラスには優太の他にも何人か同じように多くの荷物を持っているのだか……とうして人は過ちを繰り返してしまうのだろうか。
「涼……途中まで荷物ちょっとだけ持ってよ」
「無理、絶対嫌だ」
「優太!涼!どうしたんだ?」
この声は
「わぁ、大樹その荷物どうしたの?」
いや、荷物多すぎないか?優太の荷物の倍以上じゃないか……たとえ僕が全ての荷物を残してたとしてもあそこまで多くならないレベルだ。
「大樹……その荷物どうしたんだよ」
「筋肉改造部の道具だ!夏休みはそれぞれ自宅の自主トレが課題だから器具を全部持ってきた!」
そういえば、
「ってことで優太、1人で荷物運ぶの頑張ってね」
「そうだぞ優太!これは一種のトレーニングだ!」
「うぇぇ……」
そんなことで荷物は持たないけど優太を応援するために3人で帰ることになった僕達は校舎の外にでた。
……何か2人分の荷物を背負ったヤツがいるな。あの後ろ姿は
あれは……水町さんと加納さんじゃないか!
こっちは男二人と帰ってるのにイケメンは女の子に囲まれて帰ってるのか……まぁ帰る方向逆だから僕にはどうしようもないけど。
はて、アイツが持ってる片方の荷物はなんなのか。
意外とあいつも荷物貯めてたりしてね!
「おーい涼!早く行くぞー」
「あ、ごめん大樹今行くー」
◇
「ごめんね神成君……私が溜めてた荷物持ってもらって」
「いいや姉さんの友達なんだからこれくらい当たり前だよ」
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