第11話


僕達が掃討と浄化を終え、王城に帰還すると国王陛下は殺害され、第2王女は魔物に誘拐されたらしい。


侍女から話を聴いたところ、犯人は僕達の仲間であるラミアらしい。


そのため、僕とクリス様は身柄を拘束され取り調べを受けることになった。


クリス様は貴族のため、苛烈には調べられなかったみたいだけど、平民で孤児の僕はかなり強く尋問を受けた。


しかし、最終的には僕のゴブリンキングの討伐の功績と、女王陛下がとりなしてくれて、僕の取り調べは終わり、無実の判定を受けた。


しかし、ラミアが僕の前に現れる可能性が高いために僕は辺境伯領の地に幽閉されることになった。


ラミアが僕を取り戻すために、再び王城に魔物の軍勢を送り込むことを防ぐためである。


第2王女奪還の任務はクリス様が行うこととされた。



僕は速やかに辺境伯領に幽閉されるために護送されていったので、見ることができなかったが、クリス様が多くの軍勢を指揮して、第2王女を捕まえ飛んでいったワイバーンの後を追っていったらしい。


しかし、1年経った時、クリス様は、多くの軍勢がこれ以上、王城を離れると他国に攻められる可能性があるとして帰還、クリス様が単独で第2王女奪還の任務に当たるとされた。


これは期間が経った事とラミアの様子から第2王女はすでに殺害されている可能性が高いのと、王族の人間は自分が誘拐などされた場合、自己の生死や死後、死体が利用されることを恐れて、隠し持っているナイフ(これには王家秘伝の魔術がかかっており、刀身が身体に刺さり、王族の血に反応すると刀身から強力な酸が噴出しその身体を溶かす魔術がかけられている)で自決すると決められており、そのため、期間が長くなればなるほど、第2王女は死んでいる可能性が高いとの判断で規模が縮小されたらしい。


それでも、一縷の希望を込めて『閃光の騎士』であるクリス様が抜擢されたとのことだ。



更に2年が経過してもクリス様は帰還されず、ここ1年はクリス様からの報告もなされていない現状、いよいよ僕に第2王女とクリス様の捜索任務がが当てられることになった。


僕は3年ぶりに王城に帰還、国王陛下の死は2年前に布告されていたので王太子殿下が国王を戴冠、女王陛下は国母として新国王を補佐しつつも、故郷のノリス公爵領に隠遁され、王太子妃殿下が新女王陛下として戴冠された。


僕は新国王陛下と新女王陛下へと辺境伯領からの帰還を報告、国王陛下からは第2王女殿下とクリス様の捜索任務を下令された。


僕はクリス様が遺した資料を確認し、ワイバーンが消えた方角を捜索しつつ、約1年間捜索するも何の情報も得なかった。


通算4年の期間の捜索するも第2王女やクリス様に関して何の情報も得られず、ラミアに関しても何の情報も得られず、僕を自由にすることでラミアが何らかの接触してくることを期待しての抜擢だったが、何の情報を得られない僕に対して非難が集中し始めた。


僕は辺境伯領にいるときも、役職は発現していなかったので、ますます見習い勇者として見られることになり、肩身が狭い思いをすることになった。


僕は最後の希望を込めて、他国にある飛竜の巣と呼ばれる山を調べることにした。

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