第10話


僕は押し寄せる魔物の軍勢の中、愛用のハンマーを振り、目の前のゴブリンウォーリアを撲殺する。


斥候からの報告ではどうやらゴブリンキングがこの魔物の軍勢を率いているらしい。


そうなるとかなりの軍勢がこの王都には押し寄せてきているらしい。


いつの間にこんなにも魔物が近づいて来ていたのだろう。


王国軍による見回りもしていたらはずなのに。


僕は目の前に広がる軍勢を見ると大体の弱点が判るのだが、今回はかなりの軍勢で弱点が分かりづらい。


クリス様も攻めあぐねているのだろう。

僕の記憶にある閃光の騎士としての動きが取れていないみたいだ。


僕は王国軍の動きに合わせて、軍に指示をする。


王国軍の中央部隊をわざと退かせて魔物の軍勢の強者がいると思われる中央部隊を突出させる。


魔物の中央部隊の戦線が伸び切ったところで包囲をして中央部隊を殲滅、残敵を掃討しているとそこにはゴブリンキングがいるのを見つけた。


斥候からの追加報告で、理由は不明だけど、突然、魔物の力が弱まったとの報告があった。


先ほどまでは強力な指揮・統制が取れていた魔物の軍勢だったけど、急に統制が取れなくなって、一般騎士でもゴブリンジェネラルを倒したとの報告があった。


僕はゴブリンキングを目指して吶喊を繰り返した。


〜〜〜〜〜〜〜〜


俺は万が一のことを考えて自分の役職『ShadowKnight』を発動させ、第2王女の周りを警戒していた。


するとラミアが魔物を連れて第2王女の部屋に入り込んで護衛騎士を燃やしてしまったのを確認した。


ラミアもラーレのことが忘れられなくて悪魔に生贄を捧げて役職を得たらしいな。


一体、どれほどの生贄を捧げたらこれほどの軍勢を操ることができるのだろう。


俺の役職が対個人戦特化としたらラミアは対軍勢特化といったところだろう。


末恐ろしい役職だ。

あの深手で死ぬかどうかは微妙だな。


ShadowKnightの役職は影を独立させ操る能力だ。離れたところにでも存在させることができ、その場の状況を把握することができ、ほとんど物理攻撃が効かないという長所があるが、光に弱く、全方位から光を浴びせられると消滅してしまうのと魔術攻撃にはダメージを食らってしまう。だいぶ鍛えたので、ある程度は魔術耐性がついていたはずだが、やはり、ラミアほどの強力な魔術士相手だとある程度、ダメージを食らってしまう。


ShadowKnight自体がダメージを負うと俺にもダメージが跳ね返ってくるのが短所だな。



おかげで俺の身体は火傷をしたみたいにヒリヒリしやがる。


ラミアが気絶したせいか、統制が取れなくなって魔物が弱くなったみたいだな。


しばらくすると、勝どきがあがった。どうやら、ラーレがゴブリンキングを倒したらしい。


この地を浄化したら、第2王女の捜索だろうな。

俺はそんなことを考えながら、魔物の掃討を及び手空きは浄化をするように指示をした。

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