第7話
『ShadowKnight』に目覚めた者
ギシ、ギシと寝台が軋む音が宿屋の狭い部屋に響く。
「あっ!あっ!あっ!」
そして、俺の腰の動きに合わせて俺が組み敷いている女が声をあげる。
王宮を出る時に声をかけた侍女でどこやらの貴族の娘らしいが、覚えてはいない。
この女には休暇を取らせてこの宿屋に連れ込んだ。
そして俺が目の前で遮音の魔道具を使い、音が外に漏れないようにしたら、このザマだ。
やはり、俺にかかればどんな女だって素直に股を開きやがる。
しかし、最初は俺の配下だった神官のラーレが、見習いとはいえ、今じゃ勇者様として勲章をもらうようになってしまいやがった。
クソ!
最初は俺が勇者になる予定だったのにな!
俺は怒りに任せ、女を強くせめる。
すると、女は更に激しく声をあげる。
まるで獣だな。
まぁ、この女も腐っても貴族の一員だから、房中術は教えてもらっているはずだ。
行為の最中に、演技をして、わざと声を上げると男が更に悦ぶと教えてもらっているのだろう。
しかし、ラーレの野郎!
俺が狙っていた第2王女と上手く婚約しやがって!
クソが!
どうすればラーレの野郎を殺れる?
そうすれば、第2王女もラミアも俺の物にできるのにな!
俺は目の前の女の顔を記憶にある第2王女やラミアに当てはめて行為におよぶ。
するとさっきまで萎えそうだったが、また昂ってきた!
やはり、女は顔だな!
顔が良くて素直に股を開けばそれでいい!
俺は行為を続けながら、ラーレを出し抜く方法を考える。
確かに、アイツは最近腕を上げている。
俺が本気で戦っても何故か負けてしまう。
アイツが勇者として軍を率いている時でもそうだ。
アイツは軍という一個の生物を上手く動かし、相手の軍の喉笛を噛みちぎる。
俺にはできねえ技術を持っていやがる。
クソが!
本来なら俺が立っている場所にアイツは何の努力もせずに立ちやがる!
俺が憎しみに脳が焼かれそうになっていると声が聴こえる。
組み敷いている女じゃねえ。
この女はさっきから喘ぎ声しかあげてねぇ。
俺が声を聴こうとすると、頭の中に明瞭に声が響く。
『力が欲しいか勇者とやらを出し抜く力が!』
俺は間髪入れずに応える。
『欲しい!力をくれ!』
更に声が続く。
『ならば贄をよこせ!』
贄か・・・、何だ、何がいるんだ?
俺が疑問に思っていると、
『そうだな。お前の愛している人間で良いぞ。』
クソが!俺に愛している奴なんざいねえよ!
そう頭に思い浮かべると、
『そうか?今、お前の下にいる女はお前を愛していると言っているではないか。』
俺の頭に邪悪な考えが浮かぶ。
コイツでいいのか?
こんな行きずりの女で!
『良いぜ!こんな女、くれてやる!だから俺に力を寄越せ!』
すると頭の中に声が響く。
『確かに受け取った。お前に力をやろう。』
俺は笑いが止まらなくなり、実際に笑い出してしまう。
すると下にいる女もさすがに不安に思ったのか、
「どうしました?」
と聞いてくるが、俺は応えずに腰を動かす。
そして、女の中に出す。
すると、普段なら脱力感に襲われるのだが、今回は逆に力が湧いてくる。
組み敷いている女から、力を吸い取ってるようだ。
「あがっ、苦し・・・」
女が何か言っているが俺の耳にはもう届かない。
多少肉付きが良かった女が、みるみる痩せていき、最後には骨と皮だけになり、そして動かなくなり最後には、カサカサになり、俺が触れると粉となり、崩れ落ちた。
そんなことはもうどうでも良い!
俺の頭の中には与えられた役職とその力や使い方、そしてどうやればその力が強まるのか、全てが頭の中に入ってくる。
見てろよ。ラーレ、俺が全てをお前から奪ってやるよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます