第6話


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『Monster manufacturer』に目覚めた者


私は王宮からの帰り、家には戻らず、ドレス姿のまま象牙の塔の中にある自分の研究室に戻ってきた。


クソ!クソ!クソ!

女王からの要請でドレスを仕立てて、ラーレの髪色であるオレンジ色を差し色にしたのに!


よりにもよってそんなドレスを着ている時にラーレと第2王女の婚約が発表されるなんて、私が馬鹿みたいじゃない!


ラーレを見ていると全然嬉しそうではなかった・・・!


それはそうだ!

私はラーレの気持ちに気付いていたんだ!

ラーレが密かに幼馴染の私のことが好きだったことを!


私もまさかラーレが第2王女の婚約者になるとは思っていなかったからラーレの告白を待っていたんだけどそんな悠長なことをしている場合ではなかった!


クソ王家がぁぁぁぁ!

私の大好きなラーレを目の前で奪いやがってぇ!


私は鏡に写る自分のドレス姿が憎らしく見えてきて鏡を叩き割った!


ドレスも勲章がついたまま脱ぎ捨てる。


私は裸のまま怒りに身を任せ、思考を加速させる。


どうすれば良い!

どうすればラーレを取り戻すことができる!


私が憎しみに脳が焼かれつつ、ラーレを取り戻すことを考えていると。


頭の中に声が聴こえてきた。


『恋しい男を取り戻す力が欲しいか?』


最初は幻想だと思っていたけど、時間が経つにつれ、はっきりと聴こえるようになった。


私は


『欲しい!どうすれば良い!』


と頭の中にある声に応えると


『贄を差し出せばお前に力を与えてやろう。』


と脳内に響く声が言うので、


『贄とは?何が必要なの?』


すると、


『そうだな・・・、お前は女だ。子を産む力を我に捧げるなら力をやろう!どうする?愛しい男と一緒になっても、お前はソイツと子を成すことは出来ないが・・・。』


私の中の声がそう話す。

私はその声に、


『構わないわ!私の子を産む力を捧げる!だから私にあの人を!ラーレを取り戻す力をちょうだい!』


私がそう応えると、


『わかった。確かに受け取った。お前に力をやろう!』


その声が聴こえたと同時に私の腹部に鋭い痛みがはしる。

しかし、その痛みと同時に私の頭中には力が・・・、悪魔に授かった役職が浮かんできた・・・、神から与えてもらった役職はぼんやりとし力の説明だったけど、この役職は違う!


役職の全てが最初から分かった!

そして、どうすれば更に強化されるのかも・・・、待っていなさい。ラーレ、私がその地獄から救い出してあげるからね!


そしてその時は、恥ずかしがらずに、私にちゃんと愛を打ち明けてね!

愛しているわ!!ラーレ!!



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