第9話 新たな奴隷たち
このあとの飛行中は、俺はほとんど寝ていた。
なにせパリからエニス王子の母国であるスレイマン王国に向かうまではほとんど休みも無く俺の息子は出すものを出し続けた。
5回も出せば本日の分は出し尽くす。
そのあとの3時間ではとにかく忙しかったしか思い出せないくらい色々とあった。
最後の方はとにかく自分のサインばかりをしていた記憶しかない。
とにかく疲れたので、個室のベッドに横になった途端に記憶がなくなった。
次に記憶が戻ったのは、二人の美女に優しく起こされた時だった。
その時には乗っている飛行機はボルネオ王国の飛行場への着陸寸前で、座席の背や使い終わったテーブルを戻せというタイミングの時だった。
俺は二人に促されるまま座席に戻りシートベルトをして着陸を待った。
俺たちを乗せた飛行機は無事空港に着陸を済ませ、そのまま飛行場内を端の方へ移動して、メインの空港建屋のある区域から離れた場所で止めた。
タラップが飛行機に付けられ俺はエニス王子と一緒に飛行機を降りた。
タラップを降りるとそこには赤い絨毯が敷かれており、勲章をたくさんつけたエニス王子や俺とあまり年の変わらない人がたくさんの護衛とともに待っていた。
エニス王子はすぐに彼のところまで行き、大きな仕草で握手を交わしていた。
彼とはかなり親密な関係なのだろう。
庶民どころか孤児である俺は非常に場違いな気分ではあるが、ここまで連れてこ来られたのでどうすることもできずに素直に諦め、周りの空気を読み、エニス王子からはかなり離れた位置で出迎えた人に向かって丁寧に頭を下げた。
その後、略式ではあるが一連の歓迎の式典を行い、皇太子殿下の住まいまで連れて行かれた。
ここ当分、エニス王子はここから自分の財産管理を行い、力をつけていくことになると女性たちの誰かから説明を受けた。
ここでの拠点をすぐに用意しないといけない立場になっているが、彼のような他国の王族の拠点が早々に作れるは無い。
ボルネオ国王陛下のご配慮とエニス王子の皇太子殿下との友情の証として準備が出来るまでの活動拠点を皇太子殿下と同じ皇太子府に置かせてもらえることとなった。
当然エニス王子と行動を共にしている俺も絶対に場違いなのは理解しているのだが、やむを得ず皇太子府で生活することになった。
俺は最初かなり抵抗を示して、どこか安ホテルからここに通うと提案したが皇太子殿下とエニス王子の二人からすぐに却下された。
唯一救われたのがボルネオ王国の皇太子殿下がかなり気さくな方で、おまけに親日家であった。
なんでも、ここボルネオ王国は大の親日国家であり、国民の多くが親日家だそうだ。
そういったこともあり、俺人の拙い英語ではあるがエニス王子を交えて会話が弾んだ。
俺とエニス王子たちスレイマン王国の者たちの活動拠点として、迎賓館的な役割を持っている西館全てが宛てがわれた。
俺たちだけでの相談できる場所も西館には談話室があるので、これから活動をするには申し分ない環境を供してくれたとエニス王子はとても喜んでいた。
皇太子殿下との会話も一段落したところで、ここの職員である侍従が俺たちを西館に案内してくれた。
西館の談話室に入ると侍従たちはその場を離れ、談話室には俺とエニス、それにアリアさんとイレーヌさんの他は飛行機がスレイマン王国に着いた時に乗り込んできた美女が20名残った。
内輪だけになったのを確認するとエニス王子が俺に対して急に改まった声で話しかけた。
エニス王子は報奨の説明を始めた。
最初に後から合流した20名のうち10名の名前を挙げて俺の奴隷となることを宣言したのだ。
名前を呼ばれた美女たちは一人ずつ俺の前に並び、俺に対してカーテシーの態度で深々と頭を下げ自己紹介を始めた。
最初に自己紹介を始めたアジア系の美女は驚いたことに日本語で話し始めた。
「初めまして、直人様。
私はこの度直人様の奴隷としてエニス殿下より直人様に下賜された者で、名を本郷かおりと申します。
24歳です。
直人様と同様に日本人です。
また、これら奴隷たちのまとめ役も仰せつかっております。
これからは直人様の秘書役も兼ねてお世話をさせて頂きますのでよしなに」
なんと最初に紹介されて美女は日本人で名前も俺と同じ本郷を名乗っていた。
しかし正直助かった。
彼女がこれから俺に秘書として付いてくれ、常にそばにいてくれるそうだ。
今まで俺の受験英語では正直限界を感じていたところだったので、秘書役となったカオリさんがスレイマン王国で生活していてなおかつ責任ある立場の人であることに俺は大いなる安心感を抱いた。
実際に彼女は自己紹介の後直ぐに俺の後ろに控え、この後残り9人の自己紹介の際に内容を要約して俺に小声で教えてくれた。
通訳の役までしてもらえるのだ。
アリアさんやイレーヌさんと同じ奴隷とも言っていたので、俺は飛行機でのことを思い出し、彼女たちはその……あれもしてもらえるのかな……などと勝手な妄想を始めてしまったのは健全な高校生(まだ卒業前だ)にはやむを得ないことであった。
この後について、エニス殿下と相談しなければならないとかおりさんに言われ、この談話室でエニス殿下付き奴隷の貂蝉さんと大喬という何やら三国志のファンがきいたら大喜びしそうな名前の奴隷の方と俺にアリアさん、イレーヌさん、それにかおりさんが一つのテーブルについて話し始めた。
残りの方はその場で待機の姿勢だったので、俺がかおりさんに聞いてから部屋にあるソファーにでも座ってくつろいでもらうように頼んだ。
皆自分たちは奴隷だからと渋っていたのだが、俺の方が落ち着かないとかおりさんが殿下に説明してくれたのか、殿下からもそのようにしろと命じられた。
これで小市民な俺でも落ち着いて話し合いに応じられる。
正直何もわからないのだが、そこはデキる女の代表とも言える理知的な魅力すら持っているアリアさんたちに助けられながら話し合いに応じた。
俺は何もわからないので主に殿下やお付の方たちと、俺に就いてくれた女性たちがしきりに何かを話し合っていた。
その都度かおりさんが要約した内容を俺に伝えてくれ、判断を求めてくる。
直ぐに全部の懸案事項を片付けることもできないので、とりあえずこの貸し与えられた西館の部屋割りについてだけ相談がなされたようである。
途中からこの館の主である皇太子殿下も一緒になり、本当に良くしてくれる。
この西館を数年単位ですべて貸すので自由に使ってくれとのことだった。
部屋数があるので、主な活動場所はこのラウンジになるようだが、俺たちの控えというか事務所的な部屋も貸してもらえることになった。
同様にエニス殿下の事務所もある。
会議室的な部屋が数部屋と、応接室が同じく数部屋。それに個人のプライベートな部屋が与えられた。
殿下にもそうだが俺にもかなり広い日当たりの良い部屋が与えられた。
テレビで見たことのあるデラックススイートのような部屋だ。
むしろ部屋というより高級マンションの1世帯のような感じだ。
当然お付きである女性たちにも個室ではないが十分に広い部屋が与えられたようである。
食事はこのラウンジの横にある会食用の部屋で毎回とるようである。
なので、この後、皇太子殿下とエニス王子と同じテーブルで夕食をとることになった。
俺への配慮から皇太子殿下もエニス王子も女性を同伴されての食事となった。
俺の通訳としてかおりさんが同伴できるようにだ。
あくまで私的な会食なのでそのようなことが可能だった。
でなければ、特にスレイマン王国ではありえない措置だそうだ。
いくら奴隷の社会的地位が高くとも王族と一緒に食事はできないというのだ。
最初の会食はたわいも無い話で楽しく済ませることができた。
高貴な身分のおふたりが俺にかなり配慮をしてくれているのは流石に俺でもわかった。
会食後先のラウンジにてお茶を少し嗜んだ後に解散となった。
俺はとにかく慣れないことばかりでかなり疲れ直ぐに自分に宛てがわれている部屋に入って、部屋にあるベッドにダイブして休んでいた。
ベッドに入ってすぐだと思う。
俺がベッドのダイブを決めてからほとんど時間をたがわずに部屋に3人の女性が入ってきた。
アニスさん、イレーヌさん、それにかおりさんの3人だ。
しかも彼女たちの衣装がすごかった。
あれは下手に何も来ていないよりも扇情的だ。
とにかく透けているのだ。
透けていてはっきりと奥にある下着が見える。
また、その下着もあれが勝負下着の類というくらいセクシーなやつだ。
それを見た途端に俺の息子が暴れだした。
部屋に入るなりかおりさんが「お疲れのようなら私どもは何もせずに退出しますが」と言ってきた。
俺はすぐに首を大きく横に振って聞いてみた。
「もしかして、機内での続きをしてくれるとか」
優しく3人は微笑んで俺の問いに肯定の意を伝えてきた。
かおりさんが続けて「アニスさんたちは直人様がまだ女性を知らなかったようでしたので、機内での筆おろしを遠慮したようです。
でも、ここなら遠慮する必要がありませんので、もし直人様がお嫌でなければ私たちで筆おろしをさせてください」と言ってきた。
「最後までさせてもらえるのですか」
「え~、私たちでよければ、最後までさせてください」
「よろしくお願いします」
このあとは3人をとにかく広いベッドに引き入れ3人になすがままに女性の素晴らしさを俺は教わった。
…………
…………
…………
ふ~~~~。
俺は疲れていたのだが、さらに疲れることをしていた。
しかし、今の気分は非常に爽やかとも表現できるくらい心地よい疲れが彼を支配していた。
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