第4話 財産である女性奴隷
ここで気になるエニス王子の財産を少し見ていくと、その多くが地下資源の採掘権だ。
石油採掘権だけでも4つの工区を持っている。
そのうち一つは既に日本の企業と仮契約まで済んでいる。
また他国にいくつか資本参加している企業を持っているようだ。
特筆すべき彼の財産には奴隷がある。
現代社会に奴隷制度って疑いたくもなるが、この国の奴隷制度は非常にユニークだ。
この国で奴隷制度が始まった当初の頃はわからないのだが、現在の奴隷は女性に限られている。
しかも全員が期限付きだ。
年齢が18歳から30歳までの12年間を奴隷として過ごす事になる。
しかし彼女たちはかつてヨーロッパやアメリカであったような黒人奴隷のような悲惨な扱いは一切受けていない。
例えるのなら古代ローマでのギリシャ奴隷のようで、尊敬すら受ける場合もある。
なにせほとんどの場合、彼女たちの仕事は、主人のビジネスパートナーのような仕事をしている。
当然奴隷として主人の性的な欲求を満たすこともあるが、それですらひどいことになっていないようである。
なにせ主人のビジネスのうち資本関係の仕事を彼女たちだけで行っているのだから数がいることになる。
それに何より主人の一番大事な金銭関連の肝を握っているので、裏切られるようなことをほとんどの主人はできない。
殆どの場合に主人から非常に大切にされているのが彼女たち奴隷の扱いだ。
また、奴隷は財産であることから売買や譲渡、相続が許されているが、売買できるのは王位継承権を持つ王族に限られている。
譲渡や相続に関してはその限りではないが、それですら国王からの許可が要るのである。
絶対に期限は守られ、期限終了時には国王自ら面接を行いその後の身の振り方を決めることまでするので、奴隷の主人は絶対に酷いことはしない。
ま~お楽しみに関してはその限りではないようであるが、それでも数がいるのであまり無体なことにはならないようである。
先に売買については王族に限られると説明したが、王族で王位継承権を持つ王子が大人の義を済ませると国から財産の一部(主に資源の採掘権など)を貸与えられ、奴隷の女性も10人与えられる。
与えられた彼女たちが、国から貸与えられた財産の管理をすぐに行えるだけの知識を有しているので、大人の義を済ませた王族はすぐに彼女たちの協力得て資産運用を始める。
そう王族男子は大人の義を済ませると初めから10人の女性を持つ身分なのだ。
この奴隷は先にも言ったように財産であり、王族には売買の権利もあることから、ビジネスに成功すれば増やすこともできるが、多くの場合には最初の財産形成に成功せずに、成功している他の王族(主に国王)に売られるケースが多いとも聞く。
優秀な奴隷を買い取っていち早くビジネスを成功させなければ例え王族といえども惨めな生活が待っているのだ。
財産である奴隷は他の王族とも交換もできる。
これらをイメージするに一番近いのは野球のトレード制度かもしれない。
必要なスキルのある人の交換や金銭での交換などまさにトレードそのものだ。
さすがに奴隷にはFAは無いが30歳までの期限がある。
その後の彼女たちはかなりまとまったお金を貰い自由の身となる。
ちなみに殆どの場合が元の主人の元にいて仕事をそのまま継続することが多いとも聞いている。
あっちの方についてはマチマチで、ただの雇用関係の場合もあれば、愛人兼務の場合もあるそうである。
彼女たちは、性的な奉仕を除けば日本のサラリーマンよりも遥かに恵まれた環境であるようだ。
少なくとも一部特殊な水商売の女性よりは絶対に恵まれている。
長々とこの国の奴隷制度を説明してしまったが、先に出たエニス王子の場合には国からの支給と王弟からの相続を合わせて奴隷だけでも40名近くはいるのである。
現在ヨーロッパでエニス王子と同行している美人女性の2人はこの奴隷だ。
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