お風呂
「体の洗いっこするって話、思い出したみたいだね」
僕の表情や雰囲気などから、そのことを見抜いたらしいセシフェリアさんがそう言った。
「思い出し……ましたけど、本当にするんですか?」
「うん!じゃあ、まずは私がアレクくんの体洗ってあげるから、アレクくんそこにある椅子に座って!」
「……わかりました」
過去に約束したこと。
そして、セシフェリアさんはその時に交わした約束をしっかり守ってくれたため、この約束を僕に破る権利はなく。
言われた通りお風呂用の椅子に座ると、僕の後ろに居るセシフェリアさんは石鹸を手に取って言った。
「アレクくん、後ろから見てもカッコいい体だね……ちゃんとゆっくり、丁寧に洗ってあげるからね」
「は……はい、ありがとうございます」
石鹸を手に取ってそれをタオルで泡立てたセシフェリアさんは、石鹸を元の位置に戻す。
すると、僕の背中をそのタオルで洗い始めてくれた。
「どう?アレクくん、加減はこのぐらいで良い?」
「だ、大丈夫です!」
「は〜い!」
……体を洗い合うと言っても、セシフェリアの姿が視界に入ってこないのであれば思っているよりは緊張しないな。
この調子で、心の平静を保────
「そうそう、今アレクくんの体を洗うことでタオル使ってるから、後ろ向いたら私の一糸纏ってない体が直接見れるよ!もし私の体見たいって思ってくれたら、いつでも振り返ってね!」
「っ!?」
心の平静を保とうとした僕に対して、セシフェリアさんがとんでもないことを言ってきた。
そ……そうだ。
セシフェリアさんは体にタオルを巻いたりしているわけじゃなくて、タオルを手に持って自らの体の局部を隠していた。
つまり、今のセシフェリアさんは……!
そんなセシフェリアさんの姿を想像してしまった僕は、一気に心が平静では無くなってしまった。
すると、後ろから僕の背中を洗ってくれているセシフェリアさんが言う。
「あれ?アレクくん、ちょっと背中が強張っちゃってるみたいだけど何か想像しちゃったの?」
「い、いえ、そういうわけでは……」
「本当かな〜?」
楽しそうな声色で言ったセシフェリアさんは、一度僕の背中からタオルを離した。
────直後。
「っ!?」
背中に、柔らかくありながらも弾力のある二つの大きな感触を感じた。
こ、これは、もしかして────と考えていると。
セシフェリアさんは、甘い声色で囁くように聞いてきた。
「例えば、私のこのおっぱいのこととか思い出しちゃってたんじゃないの?」
「そ、そんなことは……」
「ふ〜ん?それなら、もう思い出すなんてことをしなくても良いぐらい、私のおっぱいの感触をちゃんとアレクくんの体に覚えさせてあげないとね」
そう言うと、セシフェリアさんは後ろから僕のことを抱きしめてきた。
それによって、さらに背中に胸の感触が強まる。
「ほら、アレクくん、これが私のおっぱいの感触だよ……その大きな背中で、私のおっぱいの感触をちゃんと覚えてね」
「っ……!」
甘い声色で放たれるセシフェリアさんの言葉に、僕はただただ心臓の鼓動を早めることしかできなかった。
けど、やがてセシフェリアさんは僕の背中から体を離してくれると。
「うん!耳赤くしてる可愛いアレクくんも見れたし、そろそろ背中以外もちゃんと洗ってあげないとね!」
と言って、今度は僕の肩や腕などを洗い始めてくれた。
僕は、セシフェリアさんの胸が背中から離れたことで、少しずつ心を落ち着けていく。
……後ろに体を何も隠していないセシフェリアさんが居ると思うとまた緊張してしまいそうだったけど、できるだけそのことは考えないように早くセシフェリアさんが僕の体を洗い終えてくれることを願う。
そして────
「はい!終わったよ!」
ようやく告げられた、セシフェリアさんからの終わりの言葉。
────やった……!僕は、乗り切ったんだ……!
僕は、この恥ずかしい時間を耐え切った自分を心の中で労いながら、口を開いて言った。
「そうですか……なら、後は自分で────」
「後ろから洗えるところは終わったから、次は前を洗ってあげるね!」
「……え?」
ま……前?
終わりと告げられてからのセシフェリアさんのその言葉に困惑を抱きながらも、僕は慌てて言う。
「ちょ、ちょっと待ってください……前は自分で洗うので、セシフェリアさんは────」
「ダ〜メ!前も私が洗ってあげるの!」
そう言ったセシフェリアさんは、僕の後ろから前に回ると。
お風呂用の椅子に座っている僕の目の前に腰を下ろした。
「まずは、胴体とか脚とかから丁寧に洗ってあげるね」
先ほどと同様。
石鹸でタオルを泡立てると、セシフェリアさんは僕の胴体を洗い始めてくれた。
「っ!?」
その瞬間。
セシフェリアさんの手に持っていたタオルが僕の体に触れていることで、セシフェリアさんの体を隠すものが無くなり……
腰を下ろしているため下の方は見えないけど、セシフェリアさんの胸が僕の目の前に露わになった。
……久しぶりに見たセシフェリアの胸は、相変わらず色白で大きく。
張りがあって、先端には小さなピンク色の突起があって、大きな谷間ができている……こんな胸が、さっき僕の背中いっぱいに────じゃない!
「セ、セシフェリアさん!胸が……!か、隠してください!」
ついさっき僕の背中に胸を当てられていたということも関連してか。
思わず目を奪われてしまっていたけど、すぐに冷静になった僕は慌てて言った。
でも、セシフェリアさんはいつもの調子で口を開いて言う。
「一応気遣ってさっきは体隠してあげてたけど、私としてはアレクくんが私のおっぱい見てくれるなら嬉しいから、今は体洗うためで体隠せないっていう言い訳もあるしこのままでいいよ」
「そ、そんな────」
「それとも、アレクくんは私のおっぱい……もう見たくない?」
エレノアード帝国に潜入した直後の僕だったなら、迷わずに見たくないと即答していただろう。
だけど……今となってはもうセシフェリアさんも僕にとって大切なサンドロテイム王国の人で、僕にとって大事な人の一人だ。
なら……ここは。
「そんなことは……ありません」
「っ……!」
素直に答えると、セシフェリアさんは目を見開いた。
そして嬉しそうに微笑むと、頬を赤く染めながら……
優しい声色で、自らの胸元を強調しながら言う。
「それなら、もっとちゃんと見て良いんだよ?このおっぱいはアレクくんのもので、このおっぱいを見ることも触ることも、アレクくんにしかできないんだから」
「ちゃ、ちゃんと見るなんて、そんなことは、まだ……」
「可愛いね、アレクくん……まぁ、今は私が体を洗ってあげてる番だからそれで良いとして」
それから、セシフェリアさんは僕の胴体と脚を洗い終えると────
「じゃあ、最後はアレクくんの大事なところも洗ってあげないとね」
「……っ!?」
そう言ってセシフェリアさんが視線を向けたのは、僕の僕があるところだ。
「待ってください!いくらなんでも、そこは自分で洗────っ!」
僕が言いかけた時。
いつの間にか、腰に巻いているタオル越しに、とても自らのことを主張している僕の僕に触れながら。
セシフェリアさんは、甘い声色で言った。
「アレクくんのお口が何を言おうとしてたのかはわからないけど、少なくともアレクくんのここは、私に洗って欲しいって言ってるみたいだよ?だから……今からその腰に巻いてるタオル取って、直接私の手でアレクくんのアレクくんのことを洗ってあげるね?」
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