実感

「っ……!そ、そんなことしなくて良いですから!」


 セシフェリアさんが、僕の僕を洗う。

 なんて、とんでもないことを言い出したため。

 僕がお風呂場に響く声でそう言うと、セシフェリアさんは僕の僕に視線を落としながら言った。


「え〜?でも、アレクくんのアレクくんは早く私に洗って欲しいって言ってるみたいだよ?」


 そう言いながら、セシフェリアさんは僕の僕をタオル越しにツンツン、と触った。

 ……僕は、そんなセシフェリアさんの誤解を解くべく。

 どうにか僕の僕を鎮めようとするも、本当に今までのことながら自分の体というのは全く制御することができず。

 僕の僕は、一向に静まる気配が無い。

 そんな僕の様子を見たセシフェリアさんは小さく口角を上げると、僕の僕を見ながら楽しそうに言った。


「ねぇねぇ、アレクくんのアレクくんは、私のおっぱいを見たからこんなに大きくなっちゃったんだよね?」

「そ、それは……」


 セシフェリアさんの胸を見たから、というか……

 本当のところを言えば、胸はもちろんのこと、セシフェリアさんはそれ以外の部分もとても魅力的────なんて、答えられるわけがない!

 セシフェリアさんが味方になったからとはいえ、自らのセシフェリアさんに対する気がかなり緩んでいることに気がつき。

 僕が返答に困っていると、セシフェリアさんは僕の返答を待つこと無く言った。


「何にしても、アレクくんのアレクくんを洗ってあげるのに、このタオルは邪魔になっちゃうから取るね!」

「っ……!」


 セシフェリアさんがそう言った時。

 僕は急いで、 セシフェリアさんが僕のタオルを取ろうとしても取れないように、自らの腰に巻いているタオルを両手で押さえようとした。

 けど────僕が反応するよりも早く、セシフェリアさんは僕の腰に巻いているタオルを取ってしまい。


「っ!!」


 激しく自らのことを主張している僕の僕が、その姿を露わにした。

 その瞬間、セシフェリアさんは頬を赤く染めて言う。


「はぁ、アレクくんのアレクくん、久しぶりだね……何回見ても本当に大きくて逞しくて……でも私のおっぱい見て大きくなっちゃったり、ちょっと触ったら気持ち良くなっちゃたりして可愛いところもある、アレクくんのアレクくん……さっきまではタオルで抑えられてて苦しかったと思うけど、もう大丈夫だからね」


 言いながら、セシフェリアさんは僕の僕に触れようとしてきた……けど。

 僕は、その僕の僕のことを咄嗟に自らの手で覆い隠して言う。


「セ、セシフェリアさん!本当に、ここだけは自分で洗わせてください!」

「え〜!でも、ベッドの上でも無いのにあとここでできることなんて────あ!」


 何かを思いついたように声を上げると、セシフェリアさんは僕の僕から手を離した。

 ……何を思いついたのか知らないけど、もはや僕の僕に触れられることじゃ無いなら何でもいい。

 そう思って、どちらかと言えば安堵していた僕……だったけど。

 直後。


「アレクくんとようやく再会できたり一緒にお風呂場に居るっていうので舞い上がって完全に忘れちゃってたけど、そういえば私まだアレクくんにおっぱいしてあげれてないね!」

「……え────」


 立ち上がって放たれたセシフェリアさんの言葉に、困惑の声を上げる間もなく。


「っ!?」


 僕はセシフェリアさんに抱きしめられると、セシフェリアの大きな二つの胸で顔を挟まれた。


「セ、セシフェリアさ────」

「私もうっかりしてたよね、アレクくんにおっぱいしてあげるの忘れちゃうなんて……はぁ、それにしても、アレクくんにおっぱいしてあげるのも久しぶりだね〜!どう?アレクくん、久しぶりにおっぱいされるの……私は、背中とはまた違った良さがあって、今本当に幸せな気持ちでいっぱいだよ」

「……」


 顔を少し動かそうとしただけで、頬に感じる柔らかな感触。


「そうそう、アレクくんが私のおっぱいの中に居るこの感じ……!今アレクくんが感じてるのは、私のおっぱいの感触だけっていうこの感じが本当に大好きなんだよね〜!こういうことしてあげてると、本当にアレクくんがまた私の目の前に居てくれてるんだっていうことが実感できるよ〜!」


 ……さらには弾力もあって、心地良さだけで言えばとても良────なんて思っていたらいけない!


「セシフェリアさ────」


 危うく呑まれかけていた僕が、両手を上げてセシフェリアさんを引き離そうとした……その時。

 

「あ〜!アレクくんのアレクくん、さっきよりまた大きくなってる〜!アレクくんも、私におっぱいしてもらうの好きなんだね!」

「っ……!」


 しまった……!

 顔を胸に挟まれていることに意識が取られて、僕の僕を覆い隠すことを疎かになってしまった!

 また、すぐに手を下ろして僕の僕を覆い隠────


「ぅっ」


 そうとした時。

 先に、セシフェリアさんが僕の僕に触れたため、僕は思わず体から力が抜けてしまう。

 すると、セシフェリアさんは嬉々とした声で言った。


「アレクくんのアレクくん……!触ってあげるのも久しぶりだね!本当はもっとおっぱいしてあげたいけど、それはまた今度にするとして────」


 言葉通り、セシフェリアさんは僕の顔を自らの顔で挟むのをやめると。

 腰を下ろして、僕の僕に視線を落として言った。


「今は、アレクくんのアレクくんをちゃんと丁寧に洗ってあげないとね」

「ま、待ってくださ、ぁっ、ぃ」


 僕が待ってくださいと言おうとするも虚しく。

 その声は、セシフェリアさんが手を動かし始めたことで弱々しいものへと変わってしまった。


「あぁ、アレクくん、本当に可愛いよ……確か、ここもしてあげたらアレクくんは声出ちゃうんだよね?」


 そう言いながら、セシフェリアさんが人差し指の先端を軽く動かすと────


「んっ」


 僕は、セシフェリアさんの思惑通りに声を上げてしまう。

 すると、セシフェリアさんは頬を赤く染めながら甘い声色で言った。


「もう、ダメだよ、そんな可愛い声出されちゃったらもっとしてあげたくなっちゃう……けど、我慢しないといけないよね、今の目的はあくまでもアレクくんのアレクくんのことをちゃんと綺麗に洗ってあげることなんだから」


 そう言ったセシフェリアさんは、僕の僕を洗い進めるべく手を動かしながら、口を開いてあることを聞いてきた。


「ねぇ、アレクくん……聞きたいことがあるんだけど、ステレイラちゃんとはどこまでしたの?」

「ど……どこまで、ですか?」


 できるだけ変な声を上げてしまわないように息を抑えながらも聞き返すと、セシフェリアさんは頷いて言う。


「うん、こういう感じのこと……もう二人で初めては済ませちゃったのかな?」

「そ、そんなことは、してな……い、です」

「ふ〜ん?でも、はしてるよね?じゃないと、ステレイラちゃんがいきなりアレクくんのは自分が、なんて言うはずないもんね……初めてはまだしてなくても、レイラちゃんの手ぐらいでは出しちゃったんじゃないの?」

「そ、それは……!」


 図星を突かれて思わず先ほどまでよりも声を大きくしてしまった僕のことを見たセシフェリアさんは、一度手を止めて言った。


「そっか……やっぱり、そのぐらいはしちゃってたんだね」

「はぁ、はぁ……」


 落ち着いた声色で言うセシフェリアさんの言葉を聞きながらも、僕は息切れしていた呼吸をどうにか整え始める。

 けど、呼吸を整える間もなく、セシフェリアさんは甘い声色で言った。


「じゃあ、アレクくん……今から私も、アレクくんのこといっぱい気持ち良くしてあげるね」


 そう言ったセシフェリアさんは、石鹸を手に取ると。

 自らの手を、石鹸で泡立てた。

 息切れしてしまっている僕が、その光景をただ見ているだけしかできないでいると────やがて石鹸を元あった場所に置いたセシフェリアさんは、その泡立てられた手で僕の僕に触り始めた。

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