僕の僕
ベッドの上で横にさせられた僕に対して、同じくベッドに上がってきたセシフェリアが言った。
「ルークくん、私悲しかったんだよ?」
続けて、僕の上半身を人差し指でなぞりながら。
「どうして私から逃げたのかな?私じゃ何か満足できなかった?」
「そういうわけでは……」
「じゃあ、一時の気の迷いで他の女のところに行こうとしちゃったのかな?」
「そういうわけでも……」
「じゃあ、何?」
「……」
エレノアード帝国を打倒する計画をより実行に移しやすくするため……
と答えるわけにも行かず。
僕が沈黙を貫いていると、セシフェリアが言った。
「まぁ、どんな理由だったとしても、私から逃げて他の女のところに行こうとしたなんて、絶対に許してあげられないし……答えてくれないなら聞き出せば良いだけの話だよね」
そう言うと、セシフェリアは自らの貴族服のボタンに手を掛けて、一つずつ外していく。
目を閉じようかと迷ったものの、ここでセシフェリアの意に反するような行動を取れば火に油を注ぐことになると判断した僕は、目を閉じることはしない。
やがて、セシフェリアは貴族服の下に着ている白のブラウスのボタンも全て外し終えて、白のブラウスを脱ぐと……
色白で大きな胸を覆っている、黒の下着を露わにした。
「そろそろ下着のレパートリーも増やさないと、ルークくんも飽きちゃ────」
と言いかけた時。
セシフェリアは僕の顔を見ると、小さく笑ってから僕の顔に自らの手を添えて言った。
「う、心配は無さそうだね……すっごく照れてるのが顔にも出てるよ」
「っ……」
今更下着姿で心を動かされてしまうのも情けないかもしれないけど……
着けているだけで無条件に大人の色気のようなものを感じる黒の下着に加えて、セシフェリアの大きな胸にそこから覗く谷間。
そんな刺激的なものをこんなにも至近距離で見せられてしまえば、どうしたって照れだったり羞恥だったりといった感情が湧いて来てしまう。
セシフェリアは僕の顔から自らの手を離すと、続けて自らの背中に手を回して言った。
「でも、ルークくんが飽きちゃうかどうかに関係無く、純粋にもっと色々な下着姿をルークくんに見せてあげたいから、また今度一緒に私の下着買いに行こっか」
言いながら、下着のホックを外し、下着を脱ぐと────セシフェリアの胸が露わになった。
……その胸は、何度見ても大きく。
突起部分の綺麗なピンク色が目立っていて……
セシフェリアが少し動くたびに、揺れ動いていた。
「ルークくん、どう?私のおっぱい」
「ど、どう、と言われても……」
「本当は今すぐ触らせてあげたいけど、ルークくんの手の拘束を外すのはもうちょっと後になってからだから我慢してね……その代わり」
セシフェリアは、僕のことを抱き寄せると、僕の顔を自らの胸に埋めて言った。
「今から、たくさんおっぱいしてあげるからね!」
「っ……!」
相変わらず、他のものでは感じることのできない柔らかさに、沈み込めそうで沈み込めない絶妙な弾力。
「はぁ……ルークくんにおっぱいしてあげてると、本当に幸せな気持ちになるんだよね……この、ルークくんが私のものになった感じっていうか、前にも言ったけど、ルークくんが今感じてるのが私のおっぱいだけだって思うと本当に満たされた気持ちになるの」
「……」
「────ルークくんも、他の誰でもない私におっぱいしてもらえて、嬉しいよね?」
「え……?」
ど、どうしてそんなことを聞いてくるんだ……!
という声はどうにか心の中だけで抑えることができたけど、困惑の声は漏れてしまった。
その声を聞き逃さなかったセシフェリアは……
目を虚ろにすると、冷たい声色で聞いてきた。
「え?じゃないよ、どうして『はい』って即答してくれないの?それとも……私じゃなくて、他の女におっぱいして欲しかったの?だから私から逃げたの?」
このまま行くと、確実に僕にとって良くないことになるため、僕は間を空けずに今僕に求められている最適な答えを口から発した。
「い、いえ、もちろん、セシフェリアさんにしていただけて、とても嬉しいです」
僕がそう答えると、セシフェリアは目を輝かせ、声色を明るくして言った。
「っ〜!嬉しいんだ〜!じゃあ、もっとしてあげるね!」
そう言いながら僕のことを抱きしめる力を強めると、セシフェリアは僕の頭を撫でてきた。
そして、セシフェリアが僕を抱きしめる力を強めたことで、さらに僕の顔がセシフェリアの胸に埋まる。
僕がその感触によって、さらに顔に熱を帯びさせると、セシフェリアが甘い声色で言った。
「私だけのルークくん……顔赤くしててすっごく可愛いよ、柔らかいおっぱいの感触、いっぱい感じてね」
そんなセシフェリアの言葉とは反対に、僕はどうにかその感触というものを感じないように努力する……も。
────柔らかい。
────温かい。
────良い香りがする。
こんな状態で別のことを考えられるはずもなく……
悔しいけど、さっきセシフェリアの言っていた通り、今の僕の頭の中にはセシフェリアの胸のことしかなかった。
やがて、セシフェリアはゆっくりと僕のことを抱きしめるのをやめると、頬を赤く染めながら言った。
「もっとおっぱいしてあげたいし、おっぱい触ったりもして欲しいけど、今日はこの後で予定もあるからちゃんと我慢しないとダメだよね」
っ……!
セシフェリアから逃げてしまった僕にどんな罰が待っているのかと思ったけど、我慢するということはこれで終わりなのか……!
これで、と言ってももちろん僕にとってはとても屈辱的で、終わりと言ってもそれはひとまず……
という話だろうけど、それでもどうにかこの場を耐え切れたことを、僕は────と思っていると。
「じゃあ、ルークくん……ここからが本番だよ」
……え?
頬を赤く染めながら告げられたその言葉に僕が困惑していると、セシフェリアは続けて口角を上げて言った。
「今からお仕置きして、もう二度と私から逃げようなんて思わないように、徹底的にしてあげるからね」
そう言うと────セシフェリアは、僕の紳士服のパンツを下ろした。
そして、僕の下着を見たセシフェリアが、嬉しそうな声色で言う。
「ルークくんのルークくん、今日も元気だね……相変わらず、下着越しでもくっきり形が出てる」
っ……!
そう指摘されてどうにか抑えようとするも、やはり体が言うことを聞かない。
「そんなに大きくなってるのに、下着に閉まったままだと苦しいよね……でも、安心して?私がすぐ楽にしてあげるから」
下着に閉まったままだと……?
楽に……?
僕がその言葉に違和感を覚えていると、セシフェリアが甘い声色で言った。
「今日は下着越しじゃなくて、直接気持ち良くしてあげるからね」
「直接って……ちょっと待────」
僕がそう言いながら手を動かしてセシフェリアのことを止めようとするも虚しく……
後ろで手錠をされているため手は動かせず、セシフェリアは僕の言葉が聞こえていないようにそのまま僕の下着に手を掛けると……
「っ……!」
その下着を、ゆっくりと下に下ろした。
すると────僕の僕が、露わになった。
セシフェリアは、僕の僕を見ると……
「はぁ……これが、これが、ルークくんの、ルークくんなんだね……あぁ、ルークくん……ルークくん……!!」
先ほどよりも頬を赤く染めて、妖艶な笑みを浮かべながら息遣いを荒くしていた。
そんなセシフェリアとは反対に……
今までに無いほど顔に熱を帯びさせ、信じられないほどの羞恥心を抱いていた。
────子供の頃以外、女性に見られたことは無かったのに……!どうして、どうして、こんなことになってしまったんだ……!!
今抱いている感情を、心の中で大きく叫ぶ。
セシフェリアがここで引いてくれるのを願いたかったけど……当然。
────あのセシフェリアがここで引いてくれるなんていうことは、あるはずも無かった。
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