平穏と嵐

第17話 再生

秋生は再び自分の人生を見つめ直すことにした。これまでの生活の中で、計画的に物事を進めることに楽しさを見出していた自分を思い出した。工場で働いていた頃、仕事の効率を上げたり、目標を達成するための計画を立てることが、彼にとって充実感をもたらしていた。あの頃の自分は、自分の役割をしっかりと理解し、それを果たすことで満足感を得ていたのだ。

「もしかしたら、もう一度そういった仕事に戻ることが、俺の心に必要なのかもしれない…」

秋生はそう考えるようになった。だが、単に会社員として戻るだけでなく、今度は社会に役立てるような仕事、あるいはボランティア活動で、自分のスキルを活かすことができる場所を探してみようと決意した。

秋生はインターネットでさまざまな情報を調べ始めた。ボランティアや非営利団体の募集サイトを見たり、地域の活動に目を向けたりして、どこか自分が貢献できる場所はないかと模索した。計画的に物事を進める能力を活かし、組織運営やプロジェクトの支援に携わることができれば、かつての自分の充実感を取り戻すことができるかもしれないと思った。

ある日、彼は地域のNPOが運営するプロジェクトで、計画管理や資金調達をサポートするボランティアを募集しているのを見つけた。秋生はすぐにその募集に応募し、面接を受けることになった。久しぶりの面接に緊張したが、自分のこれまでの経験を活かせる場だと感じ、熱意を持って取り組んだ。

その結果、秋生は無事にそのボランティアのポジションを得ることができた。プロジェクトの運営をサポートし、計画を立て、それを実行に移す仕事に携わることで、久しぶりに目標を持って日々を過ごす喜びを感じ始めた。新しい仲間たちと共に働きながら、自分が社会に貢献できることの意義を再び実感するようになった。

「やっぱり、俺にはこういう仕事が合っているのかもしれないな…」

秋生はそう思いながら、自分が計画したプロジェクトが成功に向かって進んでいくのを見守った。これからの生活がどうなるかはまだ分からないが、少なくとも、彼は再び前向きな気持ちで未来を見据えることができるようになったのだった。