第29話 越境!?○龍!?盛岡じゃじゃ麺!
「まず金は情報料のつもりかもしれんが、この国では兵士にそういうことはしない方が良い。他の国では、そう言うのは当たり前だと聞くがな。普通に兵士に聞けば、教えられる事なら教えてくれる。ステボナだったな。それなら、この道を真っ直ぐ進んでいけばよい。右や左に分岐する道はあるが、どこも曲がらずに真っすぐ行けばステボナへ着く。この道の終着点がステボナだからな。しかし料理大会は9月1日に開かれるし、参加受け付けは8月25日までで、当日参加などは受け付けていないはずだ。後4か月無いが、ここからステボナまでは3000㎞近くある。だから…そうだな…25㎞か…毎日25㎞歩いても着くのはギリギリだし、女子供の足で期間内に歩いて着くのはキツイぞ。距離的にも危険度的にもだ。魔物や盗賊が出るからな。この道を進んでいくと、左側に壁に囲まれた街が見えてくるはずだ。ここからでも、遠くに見えているあそこだな。あの街はノリョウスというのだが、そこで馬車に乗ることを薦める。ちなみに、街に入る為の通行税はノリョウスは、1人銀貨1枚だな。従魔に関しても、人と同じだけのお金が掛かるからな。ただし、これはその街その街によって額が違うから気を付けろ。それと、ノリョウス以降に関してはどこにどの街がある等の情報は私からは10以上の街があるとしか言えん。どの街でも隣りの街や村の情報しか言えん事になっているから気を付けろ。後は…ノリョウスの名物だったか?あそこは川魚の料理が有名だな。二人は、大きな川に架かった橋を渡ってた来ただろう?その川で捕れた魚が美味しいのだ。」
僕に情報料として渡した銀貨8枚を返してくれながら、そう説明してくれた。物凄い情報量だね…
「分かりました!ノリョウスですね!それと色々教えてくださりありがとうございます!」
色々な事を教えてくれた兵士長さんにお礼を言って門をくぐる。もっと面倒くさい手続きや質問とかがあると思ったが、すんなり通ることができた。
「なんか、簡単に国境を越えることができたね。もっと質問とか持ち物検査とかあるかと思ったけど、意外だったね?」
「そうね。簡単にこの国に来た目的を聞いて終わりだったものね。でも、あそこに見えているのが次の街ノリョウスなら拠点の場所が問題よね。お店を出す許可について聞きに行ったり、実際にお店を出したりするのに訪れるにしても家を出す場所を見つけないと大変だわ。」
「そうなんだよね。上から見ていた時にあそこに街があるのは分かっていたんだけど、どうしようかなって思っていたんだよね…」
料理大会の出場希望者にとってノリョウスはステボナから遠すぎる。僕達は、空を飛んで2,3日で着くが普通はそうはいかない。あそこの街で色々やりたいことがあったが、もっと先の街まで行っておくのが吉かな?今年の大会に出たいのにまだこんな所にいるのか?と不審がられても面倒くさいよね…
「ちょっと昼食の時間が遅くなっちゃうかもしれないけど、人の目が無くなったら飛んじゃって家を出すところを探そうかな。そこを1か月位の拠点にして料理の練習をしよう。ある程度練習ができた段階で、ルバセーの北と南の中間位まで飛んで都合が良さそうな街を探そうか。ノリョウスには行かない方針で!」
「わかったわ。じゃあ、人気のないところへ行ってさっさと移動しましょうか。アルエも悪いけどもう少し我慢していてね。」
「グッ!」
もう11時半近くになっており、今から人気の無いところまで移動して、空を飛んで家を出す場所を探すとなると余裕で12時を過ぎそうだ。そのことをアルエにも謝ると、声を出さない様に手をあげて大丈夫だと示してきた。
しかし、国境門からもノリョウスからも割と近く、街道から外れた所には冒険者?らしき気配もするので、人目が無いところを探すのにも一苦労だ。右手にある森のおかげでギリギリ国境門からも街からも見えない位置はあるので、その辺りでどうにかするしかない。街道を進む人は今のところ僕達しかいないので、森の方にある冒険者らしき気配さえ気を付ければ何とかなるだろう。そちらの気配は、結構離れているしね。
“気配遮断”を掛け道を進む。“気配遮断”は視認されている時は効果が薄いが、視認されていない状態だと僕達の気配を感じることはよほどでない限りできなくなる。そうして3,40分程歩いていくと、丁度誰の目も届かないような場所があったので、“認識阻害”で僕達の姿を見えない様にして空を飛ぶことができた。
空を飛び始めてから15分程で拠点に丁度よさそうな場所を見つけることができた。街や村が意外と近くにあり、広くて良さそうな場所を探すのに意外と苦労してしまった。
「とりあえずここを1か月位の拠点にしようか。明日からは、皆で料理の練習だね。」
「そうね。移動が無くなってゆっくりできるし、料理の勉強や練習は凄く楽しみね。」
「はい!わたしも料理頑張ります!」
家を出してそう伝えると、お母さんとアルエにやる気のある返事を貰えた。皆で家に入ったところでアルエが人型になったが、真っ裸だったので手を洗ってから昼食前に服を着てきてもらう。
「昼食の準備をしておくからアルエは服を着てきてね。」
「はい!直ぐ着てきます!」
元気よく返事をして、駆けだしていく。アルエは、いつも元気いっぱいだね。
「お母さん。お昼は、パン系、ごはん系、麺系どれがいい?」
折角なので、お母さんにお昼に何を食べたいか聞いてみる。
「それなら、麺料理をお願いできるかしら?まだ、パスタと素麺しか食べていないでしょ?パスタや素麺にも他の味付けがあると思うのだけど、別の麺料理も食べてみたいのよ。」
「わかった。じゃあ昼食は麺系だね。何にしようかな...」
パン系でもごはん系でもなく麺系を選ぶとは思っていなかったので、何にしようか迷う。箸が使えればどの麺料理でも食べやすいとは思うが、2人は使えないと言うか使った事が無いので食べにくいはずだ。麺料理の中でも、パスタだけはフォークの方が綺麗に食べられるのだが、別の麺料理とも言われてしまった。ラーメン等のスープが多い麺料理は、食べる時にスープが撥ねてしまって綺麗に食べるのが難しいと思う。なので、汁気のあまり無い麺にしようと思う。
焼き麺系か、まぜそば系か…でも汁気の無い麵だと別でスープも欲しくなるよね…
…!じゃじゃ麺だっ!これなら、麺を食べた後に締めのチイタンタンもあるから満足感があるはずだ。麺もうどんを使うので、フォークで刺してもいいし巻きつけることも出来るはずなのでこれにしよう。麺のフォークへの巻きやすさも考えて、麺が少し平たい盛岡じゃじゃ麺が今日の昼食だ。
魔法で出してしまうか、自分で作るかを考えてお母さんに手伝ってもらい作ることにする。
「よし!決めた!お母さん、ちょっと料理を手伝って欲しいんだけど大丈夫?」
「!任せてちょうだい!お母さんは、何をすればいい?」
お母さんの了解を得て、厨房へ向かう。お母さんには、大量の肉を炒めてもらい肉味噌を作って貰おう。その間に僕は、お湯を沸かして肉味噌用の椎茸・生姜を切って、合わせ味噌も作り、キュウリや長葱などの薬味も準備しよう。
まず、大鍋にお湯を入れ麺を茹でる用に沸かし始める。水からだと沸騰するのに時間が掛かるので今回はお湯から沸かす事にした。お母さんには大量のひき肉をごま油で炒めて全体がパラパラとほぐれるようになるまで中火で火を通すようにお願いする。
次に、肉味噌用の椎茸・生姜をみじん切りにする。合わせ調味料として甜面醤・酒・味醂・醤油・粉末昆布出汁・粉末煮干し出汁・顆粒鶏がらスープの素を合わせ混ぜる。この時、水で伸ばす代わりに酒を多く入れておく。これで、肉味噌用の下準備が終わり後は順番に加えていくだけになった。
きゅうりを板ずりして斜め薄切りにしてその後、少し太めの千切りにする。
ここで、うどんを茹で始める。今回の麺は17分茹での物だ。かなり湯で時間が長いが、イメージはじゃじゃ麺の元祖白○の物だ。
そろそろお肉に完全に火が入ったので、お母さんに椎茸・生姜・白ごまを入れて合わせて炒めてもらう。椎茸に脂がしっかり絡み白ごまの香りがして来たら合わせ調味料を入れて汁けがなくなるまで煮詰めるようにお願いする。底が焦げない様にヘラで混ぜながら煮詰めていくようにして欲しいと合わせてお願いしておいた。
次に、長葱の芯を取り除き白い部分を広げて細い千切りにして、氷水につけて大量の白髪ねぎを準備する。千切りにしたねぎを氷水につけておけば、食べる時にこの白髪ねぎがシャキッとして美味しいはずだ。また、この時出た芯はチイタンタンに使うので、みじん切りにしておく。
味変用にすりおろしニンニク、花椒、ラー油、紅ショウガ、穀物酢も用意してアルエに運んでもらう。アルエは、肉味噌に椎茸等を入れたあたりで鼻をクンクンさせながら厨房に入って来たので、フォークやコップ等の食器、ウーロン茶と一緒にダイニングのテーブルまで運んでもらっていた。
テーブルの方の準備が粗方終わった頃、お母さんの方の肉味噌も煮詰め終わったので器に移しテーブルまで持って行ってもらう。最後にうどんが茹で上がりザルに揚げる。この時ゆで汁は、チイタンタンに使うので別の小さい鍋にある程度移しておくことを忘れてはいけない。ゆで汁が冷めないように鍋を弱火に掛けておき、ザルに揚げた麺は湯を切りザルごと皿に乗せてテーブルまで運んでいく。うどんをテーブルに置き、チイタンタン用の卵も出して準備完了だ。
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