第30話 締め!?計算!?チョコレートケーキ!
「今日は、じゃじゃ麺って言う料理だよ。麺を皿に取ったら、きゅうりを乗せて、その上から肉味噌を掛けて、最後に白髪ねぎを上に添えてあげれば完成だよ。これをかき混ぜて、麺全体に肉味噌を絡ませてから食べてね。後はお好みで、ニンニク、花椒、ラー油、紅ショウガ、お酢を使ってね。最初は僕がやるから、お替りは各自で好きにとって食べてね。あっ!ちなみに最後に締めのスープがあるから、お腹にその分の空きを残しておくこと!」
麺をサービングトング、きゅうりをサーバースプーン、白髪ねぎをピンセットを使って盛り付ける所を見せる。そして、かき混ぜて麺全体の色が変わって肉味噌が麺にしっかり絡むところまで見せてあげる。2人とも「なるほど」という顔をして頷いていたので、後は各自で自由にお替りもしてくれるだろう。
僕は、最初は余計なトッピングをしないままで食べる。うん!温かいじゃじゃ麵もやっぱり美味しいね。その後は、1/5程食べる毎にニンニク、花椒、ラー油、紅ショウガ+お酢の順番で1つずつ入れていく。ニンニクを入れてパンチを利かせた後、シビれる辛さの花椒、ヒリヒリするラー油を入れていき、最後に紅ショウガとお酢を入れてサッパリさせるのが僕流だ。その日の気分によってニンニク、花椒、ラー油を入れる順番を変えることもあるが、紅ショウガ+お酢が最後は鉄板だ。お母さんとアルエの2人は、味変によって様々な顔を見せるじゃじゃ麺に夢中になって食べていた。しかし、6歳児のお腹では1杯が限界なので、チイタンタンの準備に入る。麺を少しだけ残して卵を割り入れ軽く混ぜる。この時、卵は混ぜ過ぎないようにするのがポイントだ。肉味噌とみじん切りにした長葱もトッピングして、火に掛けておいた鍋を取りに行く。
「締めのスープのために、こんな感じで麺を少し残してね。軽く溶いた卵と葱、肉味噌を入れたらお湯をここに入れて、肉味噌をお湯に溶かせばチイタンタンの完成だよ。卵の殻を割るのは、最初の内は結構難しいと思うから気を付けてね。殻が入っちゃても取り除けば大丈夫だから、練習のつもりで頑張って。」
「なるほど、そういう事なのね。スープは作って無かったから、締めのスープってどうするのかと思っていたのよ。」
「凄いです!この肉味噌一つでこんなにいっぱい楽しめるなんて凄いです!」
締めのスープがあるとは言っていたが、お母さんは料理をしていた時にスープを作っていなかったことに疑問を持っていたようだった。そして、チイタンタンの作り方を見て納得し、「それも美味しそうね。」と感心していた。アルエは、肉味噌の可能性に驚いているようだった。
この肉味噌は、冷奴に掛けたりとかおにぎりの具にしても美味しいから色々使えるのは間違いないね。
ふぅ...やっぱり、この最後の締めが有るかな無いかで満足感が全然違うね。
結局お母さんは1回お替りをしてスープを1杯、アルエは3回お替りしてスープを2杯も飲んでいた。本当にアルエは、小さいのに良く食べられるね…
………
……
…
昼食が終わり一息ついたところで、お母さんとアルエの2人は料理の本を読みにお母さんの部屋へ行こうとしている。どうせならと思い、休憩室にある料理の本と同じものをお母さんとアルエの部屋に置こうと思う。どちらも主室に小さ目の本棚があれば大丈夫かな?
「お母さんとアルエの部屋にも本棚を置かない?今は休憩室の本をお母さんの部屋に持って行っている形だけど、休憩室にあるものと同じ料理本が部屋にもあった方が便利でしょ?料理本だけならそこまで大きな本棚も必要ないしね。」
「いいの?アインが大変じゃない?」
「これくらい大変じゃないから大丈夫だよ。それと、本は料理関係だけで大丈夫?一応他にも物語系とか勉強系とかあるけど…」
実は休憩室の本を時間がある時に少しずつ増やしていたのだ。本だけではなく、ピアノやヴァイオリンなんかも置いてしまった。防音室はまだ作っていないので演奏の練習なんかは“遮音結界”を使わないといけないけどね。ここ数日も朝とか結構空いた時間があったんだ。そこで、前世だと高校位までの数学と物理、化学、思い出せる限りの楽譜なんかも増やしていた。
「私は、とりあえず料理関係の本だけで十分よ。あれだけでも、全部を覚えるのに数年単位で掛かりそうだもの。」
「わたしは、勉強系の本が欲しいです!数の計算の勉強をしたいです!」
アルエが計算ができないのは意外だったが、言われてみればそうかと思いいたる。“言語理解”で言葉は理解できても計算まではできるようにならない。おまけに、アルエの今まで生きてきた環境では計算なんて勉強する機会は無かったのだろう。
「了解。それなら、お母さんが料理の本を読んでいる間僕が計算を教えてあげようか?」
「いいんですか?おにいちゃん!ありがとうございます!」
そう言って、僕に抱き着いて来るアルエはとてもかわいかった。
「お母さんが料理の勉強をしている横で、アルエに計算を教えても大丈夫?」
「もちろん大丈夫よ。私が教えてあげられれば良かったのだけれどね…私も人に教えられるほど出来る訳じゃないのよね…」
アルエの部屋に本棚と各種本・ノートや筆記用具を出してあげて、ノートと筆記用具・小学1年生用の数字ドリルを持たせてお母さんの部屋へ行く。アルエは、ノート等をだらしない顔で大事そうに抱えて持っていた。
お母さんの部屋でも、本棚と料理本・ノートや筆記用具を出すと、「アイン!ありがとう!」と言ってくれた。まずは、僕がお勧めした和洋中の本3冊を覚える所から始める為今僕が出した本はまだ本格的に読む時間は無いが、勉強の合間の頭のリフレッシュのためにちょくちょく見ると言っていた。「料理の勉強の合間のリフレッシュに料理本?」とちょっと頭に?が浮かんでしまった僕は、仕方なかったと思う。
アルエに計算を教えて思った事が、「アルエは、やはりかなり賢かった。」という事だろう。
もともと、ある程度数を数えられていたというのも有るのだろうが、理解がとても速い。最初は指を使って計算をさせて数字の概念を教えていたが、あっという間に答えが10以下になる計算は出来るようになってしまった。答えが10以下になる計算なら暗算出来るようになるまで5分もかからなかった。そして、繰上りの概念もあっという間に覚え、2桁同士の足し算だけではなく引き算も1時間位で出来るようになってしまった。なので3時の休憩までは、持ってきてもらった小学1年生用の計算ドリルをひたすらやらせることにした。後は計算の速さと正確性を鍛えるだけだ。
3時になりおやつを出すと、2人から少し疲れてお腹が空いたと言う声が聞こえた。2人ともものすごく集中して頭を使っていたので、体が糖分を欲しているのだろう。
今回のおやつは、2種のチョコレートケーキにした。チョコレートケーキの甘さが疲れた頭に丁度いいだろうと思っての事だ。濃厚でねっとりとした口当たりを持ちチョコレートの魅力が全開のテリーヌショコラ。しっとりとしたチョコレートのスポンジケーキにアプリコットジャムが挟んであり、チョコレート入りのフォンダンで覆ってあるザッハトルテ。片方はチョコレートの味をこれでもかと押し出したもの、もう一方はアプリコットを入れ酸味のアクセントを足したものだ。この甘さと対比が今の2人には、最高のはずだ。
「甘くて、おいしいわ!舌にねっとりと絡みつくかのような口当たりも凄いわね!それに、ちょっと苦いところが良いアクセントよ!」
「こっちは、中に少し酸味があるものが入っています!甘いチョコと酸っぱめの中身が美味しさをあげています!えへへへ…おいしいです~」
「本当ね!アルエが食べていた方には、中に酸味のあるジャムが入っているわね!甘さと、酸味と苦みがこんなにも調和するなんてすごいわね。」
「はい!そうなんですよ!ママが食べていたこっちは、チョコレートが口の中で襲い掛かってくる感じです!どっちも、美味しいです~~」
お母さんはテリーヌショコラから、アルエはザッハトルテから手を付けたようだ。おそらく、体が欲していた糖分を摂取できたことでいつも以上に美味しく感じているのだろう。直ぐにお互いにもう一方にも手を付けている。いつもより反応もコメントも良いのがその証拠だろう。
「ふぅ~~~。甘くない紅茶もケーキで甘くなった口をサッパリさせてくれるから、組み合わせが完璧ね。」
「はい!堪能しましたよ~~~」
その後2人は、3時のおやつを食べ終わってから30分近くも余韻に浸っていた。
………
……
…
二人が2種のチョコレートケーキを食べた余韻から戻ってきたら16時前になっていたので、皆でお風呂に行くことになった。
それじゃあ、今日は硫酸塩泉と炭酸水素塩泉の2種類を楽しもうかな?入浴後に肌が乾燥しやすい2つなので、お母さんとアルエも一緒に入るつもりなら肌の保湿に気負つけさせないとね!
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