第293話 日傘の裏では何が起きている?
美海からお父さんの話を聞きながら、
食後の散歩ついでにゆっくりと小学校へ向かって移動する。
通り道にある校庭を眺めつつ、校門前に到着する。
下校時間に当たり立ち止まる事はできなかったけれど、美海は人目見られただけで十分だと言った。
次に公園へ移動する道中、昔を思い出しつつ、夏休みなどは公民館に入り浸り読書に明け暮れた話や、幸介がイタズラでピンポンダッシュして巻き添えを食らって僕も怒られた話から、町並みを見ることで蘇る懐かしい記憶を美海へ話していく。
「――ふふ、今はそんな風に見えないけど、幡くんはやんちゃな子供だったんだね」
僕から視線を外し、美海は前を見ながらクスクスと笑った。
「幸介は中学に上がってから落ち着いたからね――と、到着です」
「わ――結構、広い? でも、公園よりは野球グラウンド? みたいだね」
美海が言ったことは半分正しい。
ベースはないけれど、背の高い金網があり広さも十分。
小学生が野球をする分には問題なく楽しめる広さだ。
そして今見ている広場、その奥に植木があるため遠目では分からないが、境界となっている植木の先には、一般的な公園遊具やアスレチック遊具がある。
この付近の公園では、中々の広さを誇る公園だろう。
その公園の正式名称は大島中央公園。
けれど、野球ができる広場は逆三角形の形をしており、遊具のある公園との境界には植木がある。
そのため、苺に見えることから幸介は『いちご公園』と呼んでいた。
「ふふ――ご当地情報をありがとうございます。ガイドさん」
美海は目を伏せ、冗談を交えながらお礼を告げてきた。
「いえいえ――ところで美海?」
「え、はい。なんでしょうか、こう君?」
「もしかして、美愛さんが言っていた話を気にしていたりする?」
無意識なのだろう。美海はどこか上の空だった。
いや、僕の話にしっかり返事をしているから上の空まではいかない。
だが、何か気になることが引っ掛かっている。
そんな様子を暫しみせている。
気のせいかもしれない。
でも、僕から目を逸らし伏し目がちに笑う。
その仕草は、美海が何かを我慢している時に見せる癖だ。
そして、美海の様子が変わったのは、美愛さんたちと別れてからのことだ。
半ば確信めいた質問だったけれど――美海が『気付かれちゃったか』とバツが悪そうに苦笑したことで、僕の予想が正しかったと証明された。
「どうして分かったの?」
美海は答えが簡単に分かる質問を投げ掛けてきた。
「僕がどれだけ美海を見ていると思っているの?」
「……たくさん?」
「そう、その何十倍も見ているつもりだよ」
目を逸らし、顔を俯かせる美海。横からでも、頬が緩んでいるのが分かる。
「それで、僕に聞かせてくれるの? いや、聞かせてほしい」
美海は観念した様な、けれど意を決した様に、僕の目を真っすぐに見てきた。
「……はい。こう君、26日は美波と光さんとご飯に行くって言っていたでしょ?」
「えっと、言ったけど?」
先週の水曜だ。不意に訪れた七者面談、その晩に美波から電話があった。
25日を最後に不動産アルバイトが退職となるから、
そのお祝いをするから外食に行こうと。
それで決まったのが26日で、美海にもその日は美波とご飯に行くと話している。
美海はそのことを言っているのだろう。
でも、美愛さんの話とかけ離れていた為、そして、そのことの何が気になるのか分からなくて、少し面食らった質問だった。
「そのね、言い訳になるけど……美波と光さんが話しているのを盗み聞くつもりはなかったの。でも、ご飯に行くのはこう君がアルバイトを辞める退職祝いだって聞こえてきて……その、それって本当?」
なるほど――つまり、僕が母さんの元でアルバイトしていたことは、美波にだけでなくて美海にも知られてしまったという訳か。
これこそ言い訳になるが、近いうちに美海にも打ち明けるつもりだった。
でも、その前に知ってしまった。
そして、美愛さんと三穂田さんが隠し事について話していたことで、美海は僕が他にも何かを隠しているのか気になってしまった。
要は、不動産アルバイトを秘密にしていた事が原因で、美海に不安を抱かせてしまったという訳だ。
『聞かせてほしい』などと、格好つけたくせに、その原因が僕自身だったのだから、とんだ自作自演だ。
情けなくて仕方がない。
「ごめん、美海。えっと――」
「じゃあ、やっぱり辞めちゃうの!?」
僕が言い訳を述べようとしたが、それよりも先に目を潤ませた美海が言葉を被せてきた。
辞めちゃう――と、残念そうにする言い方が気になるけど、それを訊くよりも謝罪を優先させる。
「25日を最後に母さんの手伝いは辞めるつもりでいる。今まで黙っていてごめん」
目を合わせ、それから頭を下げて謝罪する。
怒っているかもしれない。悲しませたかもしれない。
どんな事を言われても受け止め、反省しよう。
そう決意したのだが、美海は不思議そうな声で新たな疑問を投げ掛けてきた。
「ごめんね、こう君――。光さんの手伝いって?」
目を丸くさせ、首を傾げる美海を見るに、本気で分かっていないようだ。
そしてその美海を見て僕まで首を傾げてしまう。
今度は2人で目を合わせて首を傾げ合ってしまう。
僕と美海の会話が噛み合っていない。
そのことが分かった。
一体、何をどこでどうすれ違わせたのだろうか。
まるで見当も付かない。
「僕が母さんに頼んで、11月から不動産のアルバイトをしていたことは知っている?」
「それは……初耳です」
そうか、初耳か――なるほど。
つまりそこから、このすれ違い現象が発生しているってことか。
「美海は、僕が『空と海と。』を退職する。そう思ったってこと?」
「はい……そう思っていました」
「そうだな、少し整理しようか。あ、でも、その前に――美空さんにも言ったけど、僕は辞めたいとか辞めるとか考えていないからね?」
「はい……お姉ちゃんからも聞いています――」
あの時の美空さんは鬼気迫る雰囲気を持っていた。
つまりは、美海と同じ勘違いをしたせいだったということか。
そして勘違いだと分かった美海は、落ち込んでいるのかシュンと項垂れてしまった。
「ちょっとごめんね――」
美海の手をギュッと握り、離してもらい日傘を預ける。
それから、咲菜ちゃん用にと考えて購入したお手拭きでベンチを拭く。
咲菜ちゃんと会えずじまいだったから出番はないと思ったが、思いもよらぬ方向で出番がきた。
でも、このままだと冷たいか――と考え、敷いたタオルの上に美海を座らせる。
隣に腰を下ろし、携帯のカレンダーを見ながら一緒に整理していく――――。
9月24日。秋休み。
美波と母さんが初めて『空と海と。』に来た日だ。
この日僕は母さんに、『空と海と。』で働いて得るお金とは別のお金で、美海にクリスマスプレゼントを贈りたいと変な見栄を張り、アルバイトを紹介してほしいと頼んだ。
結果、11月から母さんの手伝いをすることになった。
1月20日。
本宮副理事長がお店に来た日だ。
その夜、僕と母さんの通話を聞いてしまった美波。
聞いたとは言っても、その内容は一部だ。
そして、母さんは手帳を開いた状態で一度部屋に戻ってしまう。
何の気なしに覗いた手帳には、
『郡 バイト 3月25日まで』『理由 学業に専念』と、箇条書きされていた。
その結果、美波は美海に『兄さんはバイト辞めるの?』とメッセージを送った事から、勘違いが始まってしまう。
このことがあり、美海は背文字当て伝言ゲームの時に、無理して1位を取らなくてもいいと、僕に言ったのだろう。
2月20日。
美空さんに退職を疑われた日だ。
質問に対して僕ははっきりと否定した。そのため、美海と美空さんは何かの間違いだったと、ひと安心した。それなのに――。
2月28日。
七者面談の日だ。
美海は、美波と母さんが僕の退職祝いについて話しているのを聞いてしまった。
それによって再び疑惑が浮上した。
ただ、僕が嘘を付くとは思えないから、直接はっきり訊ねることを姉妹で決めた。
ちなみに、ここまで整理したことで気付いたが――。
美波はこの日の夜、僕と通話した時に『不動産――?』と訊ねた。
特に疑問に思わず肯定で返したが、つまりは、美波もこの時まで僕が母さんの手伝いをしている事は知らず、退職するのは『空と海と。』だと勘違いしていたのだろう。
そして、僕もまさか美波が勘違いしているとは思わず、美海には自分で打ち明けたいから内緒にしてと頼んだ。
美波は僕の願いを律儀に守り、美海に報告することはなかった。
そして今日。3月4日。
約1カ月半に及ぶ、勘違いが解消されるに至った。
誤解が絡まり空回り、まさに伝言ゲームの失敗版のような結果となった。
総括そして反省。
下手なサプライズや隠し事は、思わぬすれ違いを起こす。ダメとは言わないが、すぐにネタバラシすること。そして、互いに何か気になることが生まれた場合は、すぐに確認し合う事。以上。
「「………………」」
「もう、なんか……勝手に勘違いして、暴走して、疑って……凄く恥ずかしくて惨め……」
確かに僕に直接聞いてくれたら、ここまで拗らせることはなかっただろう。
でも、美海は聞くのが怖かった。
僕らを繋ぎ直したのが『空と海と。』であって、僕が美海に相談もなくそこから離れて行く、それを考えると、不安な気持ちが込み上がって来てしまい怖かった。
そう不安を吐露した美海を考えると、責めることなどできない。
いや、そもそもだ。
僕が見得を張らなければ済んだことなのだから、美海を責めるとか考えることすら、筋違いも甚だしい。
「僕が初めから打ち明けていたらよかったんだよ。だから、美海は気にする必要はないよ。僕こそごめんね――」
「ううん。こう君は私を喜ばせたくて黙っていただけでしょ? だから、やっぱり私がすぐに訊いたらよかったんだよ。ごめんね――」
謝罪の言葉を送り合い、それから地面へと視線が落ちていく。
ケンカした訳ではない。
だから険悪とまではいかないが、居心地の悪さから僕と美海は所在なげに黙ってしまう。
人間関係とは、嫉妬や疑惑、性格の不一致、ふとした言動、価値観の違い――などなど。
ほんの些細のことで拗れてしまう。
本で読み、分かっていたつもりだった。
そしてそれは『つもり』だったのだ。
実際に美海とすれ違いを起こしたことで、初めて怖いことだと実感した。
その原因を作ったのは僕だ。そして、変に拗らせたのは美海だ。
2人に落ち度があるがゆえに、僕らは罪悪感や後悔に襲われて暗い表情を作っているのだ。
けれど、美海とせっかく思い出の地を巡っている。
反省は大切だけど、いつまでも暗い空気でいたくないし、美海には笑ってこの場所を紹介したい。
嫌な記憶や思い出として残したくない。ならばどうするか。
ケンカをした後にすることは謝罪だ。
それが済み、許しを得たならあとは仲直りとなる。
一応の許しは美海から得ている。あとは、それならば――。
「……こう君? 嬉しいけどね、どうして急に頭をなでなでしてくれているの?」
「その、美海と仲直りしたくて……」
仲直りの方法に頭を撫でる。
それがおかしい事くらい僕だって理解している。
それなのに突拍子もなく撫でた理由は、『ごめん』の言葉を重ねるごとに、その分だけ空気が重くなる気がしたからだ。
だから、初めてのケンカをして仲直りをしたさっきを思い出した。
頭を撫でた時の美海は嬉しそうにしてくれていた。
そんな安直な考えから、僕は美海の頭を撫でているのだ。
「こう君……」
「……嫌だった?」
美海は困惑した表情で僕の名を呼んだ為、そう聞き返してしまう。
撫でる手を止めようとしたが『あ、違うの! 止めないで!』と、美海は言って僕の手を掴み、自身の頭へ押し付けた。
「仲直りするのに頭を撫でるって……昔を思い出してね? ずるいなぁ、子供みたいで可愛いなぁ――って、なんか凄く愛しくなったの」
うっすらと覚えている。
幼いみゅーちゃんが泣いた時、幼い僕は決まってみゅーちゃんの頭を撫でて慰めていた。
美海に言われるまで忘れていたけど、美海は僕の行動が昔と何も変わっていない事に嬉しくなったと続けて言った。
「恥ずかしいな、それ」
漏れ出る様に言った本音に対して、美海はクスクスと笑い『可愛いよ』と言って僕をからかってくる。
「ねぇ、こう君? 私たちって、これから
「そうだね。これからも一緒だね」
「一緒にいられることは素敵だけどね、どれだけ気を付けていたとしても今日みたいな事は起こると思うの」
現実的な考えだ。
互いの全てを理解できることは不可能に近い。
そして、僕と美海は始まったばかりで手探りの状態でもある。
いくら日々話し合ったとしても、
美海が言うようにどれだけ気を付けても、
今日みたいなことを起こす可能性は十分に考えられる。
だから、気持ちとしては頷きたくないが、首を縦に肯定する。
「だから――ケンカとか、すれ違った時に仲直りする為のルール……だとちょっと固いか」
「約束とかってこと?」
「あ、いいね! 仲直りする時の約束を決めない?」
「たとえば……謝罪はしつこくしない。とか?」
「うん、それを一つ目にしよう!」
時と場合によるけれど、大抵のことは反省してから相手に謝罪する。
何度も『ごめん』と言うと、
「美海が考える他の約束って?」
「んー、相手の素敵な所を一つ言い合うとか?」
一つだけと言わず、いくつでも言えてしまいそうだけど、それもくどくなってしまうか。
「こうやって提案をしてくれる美海って凄く素敵だよね」
「あ、もう! フライング!」
「ごめん、そんなつもりじゃなかったんだけど」
僕はただ、すぐにでも褒めたかっただけなのだが――。
些細な事でも行動を揃えたがる美海にとっては面白くなかったのだろう。
美海は頬を膨らませて、不満を訴えているのだろうけれども。
その様子は僕から見るとただただ可愛く見えるだけの事が、少し可笑しく感じる。
「今みたいに私の目を見て、切れ長の格好良い目を少し柔らかくさせるこう君を私は素敵だなぁって思います」
『バッ』と、自分でも驚く程の勢いで、美海から顔を背けてしまった。
「ふふふ、どうしたのかなぁ~? 恥ずかしがり屋のこう君は照れちゃったのかなぁ~?」
そうだよ、照れたんだよ――と、素直に言えたらどれだけ良かっただろうか。
自分の嫌いな所を、ある意味でコンプレックスを、好きな人に素敵だと言われることが、それを素直に受け止められたことが、一瞬で嬉しい気持ちを一杯に溢れさせて、恥ずかしくなるってことを知らなかった。
だから、この一瞬で言語化することが叶わず、
僕は顔を逸らすことしかできなかった――。
「――言い合ったってことで、今日はこれで仲直り?」
「とっても可愛いこう君が見られたから誤魔化されてあげるね」
「もう、うるさいって」
照れから僕がぶっきらぼうに言い放つと、美海はこれでもかってくらいに体を寄せてきた。
『かわいいぃ~』と連呼する声を聞こえない振りして、美海が満足するまで僕はただ黙ってひたすらに待つ――。
「はぁー……堪能しました」
どこかホクホクとした表情に見える美海へ『それは何よりだ』と返事を戻す。
さらに続けて『仲直りしてもらえるかな?』と訊いたのだが、美海は静かに首を振った。
「ねぇ、こう君? 仲直りの最後は握手するイメージってない?」
「イメージはあるけど、あまり実践したことはないかな」
仲直りの証拠に握手する、それは小学生低学年くらいの子が交わすイメージだ。
けれどもだ。そもそも、僕は誰かとケンカできるほどの関係を築けてこなかったからな。
実践などした覚えがないけど、美海がそれで仲直りしてくれるなら、僕は喜んで握手がしたい。
「ふむふむ――それならね、恋人版……ってのは、どうでしょう?」
「恋人版?」
「はい、恋人版です」
山びこの様に訊き返した僕に対して、山びこの様に返事を戻す美海。
美海は落ち着きなく、視線を重ねては外す――を繰り返している。
その様子はとてもいじらしくて可愛い。
けれど、何か恥ずかしい事でも考えているのかもしれない。
今度は周囲へ視線を彷徨わせ始めた。
友達同士の仲直りの証明が握手。
それでいて恋人版。
外でするには恥ずかしいことか、そうだな――。
「ハグ……とか?」
結構、自信のある返答をしたつもりだったが、返事が戻らないということは違ったのだろう。
という事は、ハグ以上の何か。その可能性が高い。
美海が何を言うのか予想は付くが、それでもある程度は覚悟した方がいいかもしれない。
内心でそんな風に思っていると、美海は閉じていた日傘をおもむろに開いた。
開いたのだから差すのだろう。そう考えることが普通だ。
けれど、美海はいつまでも前にかざした状態で日傘を構えている。
「み――」
――う。
と、名を呼ぶことは叶わなかった。
視線を傘から美海へ向けると、いつかのお返しとばかりに唇を塞がれたからだ。
塞がれたというのは言い過ぎかもしれない。
ほんの一瞬、初めてキスを交わした夜と同じくらいの一瞬だったから。
でも、僕が口を閉ざしてしまうには、それで十分だった。
それだけの衝撃だった。
そして、状況を理解した僕は顔を沸騰させた。
対する美海も、食べ頃のいちごのように、頬から耳まで綺麗な色へと萌え染めている。
「……こんなの、とか?」
美海さん、今の行為はこんなのと言える程、軽い
背中側には高い木々があり、公園敷地外から視界が遮られている。
前方は日傘で姿を隠してしまえば、誰に見られる心配はない。
見られなければ平気なのかもしれないが、外でするには軽率な行為だと思う……。
まあ、とは言っても。
その辺りは追々話し合うとして、恋人らしい仲直りの仕方としては大賛成だ。
だから、僕は美海が持つ日傘を奪い取り、正面へ構え直し、そして――。
美海が言う『こんなの』をやり返した。
『ん』と小さな声を漏らす美海。
すぐに唇を離すと、美海は僕の情欲に訴える様にものほしそうな目で見つめてくる。
もう一度――と、日傘を構えようと考えたが我慢する。
それから、見つめ合う時間が暫し続く。
見つめ合うだけで何もしない。言葉も発さない。
傘の柄を持つ僕の手に美海は手を重ねている。
その手から体温と一緒に美海の気持ちが流れてくることを感じる。
この無言の時間は、居心地の悪さなど何も感じない。
むしろ、フワフワとした心地の良い気分だ――――。
小学校から一旦帰宅して、ランドセルを置いてきた子供たちが公園にやって来る。
そのことで、僕と美海の時間も動き出す。
仲直りの為の約束。
『その壱』謝罪はしつこくしない。
『その弐』相手の素敵な所を一つ言い合う。
『その参』キスをする。
否。美海の意見を押し退け、その参のみ訂正。
『その参』ハグをする(自宅の場合は応相談)
僕と美海は公園内を散歩しながら、人に言うには恥ずかしくなる新しい約束を結び、これをもう一度復習してから、思い出巡りツアーを終わらせ、帰路に就いたのだ。が――。
外で訂正版を行ったためか、
帰りのバスでは、どこか甘酸っぱくなる初々しい空気を思い出すことになった。
▽▲▽
【あとがき】
正しい日傘の使い方ってやつですね( ˘ω˘)スヤァ
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