第18話 従妹と結婚の約束とか本当にするんだ!?
「忘れちゃったの?従妹の星乃
星乃海?従妹?
「あ!?」
「思い出した?まあ、私たちが最後にあったのって結構前だもんね?」
星乃海、そういえば数回親戚の集まりであったことがる気がする。
その中でもかなり仲良くしてた気がするな。
でも、結婚の約束なんかしたっけ?
流石に軽率すぎやしないだろうか?
まあ、子供だから仕方がないっていうのもあるんだろうけど。
「最後にあったのは六年くらい前だったっけ?」
「そうそう。その時のお正月が最後だよ~」
「なんでいきなり電話してきたんだ?」
「来年から海君のいる高校に通おうと思ってるから一応連絡したの!久しぶりに話したかったし!」
「そっか」
なんかすんごい申し訳ないんですけど!?
結婚の約束とかそれこそ小説の中とかだけじゃないの!?
実際に経験することなんてあるの!?
「海君に会うの楽しみだな~」
罪悪感がすごいな!?
「あはは。僕も楽しみだよ」
「そう?うれしい。それとさ、」
急に海ちゃんの声が低くなった。
「浮気は許さないからね?それだけ!じゃね~」
海ちゃんはそういうと僕がなにか言う前に電話を切ってしまった。
何だろう。
僕死んだかもしれない。
「海星お待たせ~ん?なんか顔色悪くない?」
「おかえり紫苑。そうかな?」
「また何か隠し事?怒るよ?」
腰に手を当てて紫苑は僕を睨んでくる。
この前の事件があってから紫苑は僕のようすがおかしいとすぐに聞いてくるようになった。
「いや、家に帰ってから話すよ。ちょっと長くなりそうだし」
「そうなの?まあ、話してくれるならいいでしょう!」
「ありがと。それよりもこれからどうする?まだ時間はありそうだけど」
時刻は六時過ぎ。
家には8時くらいに帰ればいいからまだまだ時間がある。
「そうだな~でも、これといってやりたいこともないし。早めに帰ろっか!明日はデートだしゆっくりしてよ!」
「それもそうだね。じゃあ帰ろっか」
僕はそう言いながら紫苑が持っている紙袋を持つ。
別に重くはないんだろうけどさ。
「ありがと!」
「どういたしまして」
左手で今日買った荷物を持って右手で紫苑と手をつなぐ。
やっぱり紫苑と手をつなぐと安心するなぁ。
「明日のデート楽しみだね?」
「うん。すごい楽しみ!」
「よかった。私もすごく楽しみだよ!」
2人で明日についての予定を話し合った。
どこに行くかとか何をしたいかとかいろいろだ。
「海星はデートとかってどこに行ってたの?」
「それは、どこだったっけ?」
正直あんまり覚えてない。
茜と付き合ってた頃は今思い返してみればなんだか作業のような日々だったような気がする。
「あんまり言いたくないならいいけどたまにはそういう事も教えてほしいな~」
紫苑は少しむすっとしながら僕の顔を見つめてきている。
言いたくないわけではないけど、今の彼女の前で元カノの話をするのはいかがなものなのか。
「まあ、いいけど機嫌を悪くしたりしない?」
「それはもちろん。というか私から聞いておいて機嫌悪くしたらやばいやつでしょ」
「確かに」
紫苑がそういうのなら話そう。
今になっては少し苦い記憶だけど。
「まあ、遊園地とか水族館とかいろいろかな?他には普通にカフェ行ったり買い物したりかな?まあ、普通の恋人たちがするような一般的なデートだったと思うよ」
「そうなの?てっきりもっと特殊なことをしてきたのかと思ってたんだけど?」
「特殊なことって何さ。本当に普通だったよ」
「そうなんだ」
紫苑は言いながら僕の腕に抱き着いてきた。
なんで!?
なんか柔らかいものが腕にって考えるな僕!?
考えるんじゃない!
「し、紫苑?なんでいきなり抱き着いてきたの?」
できるだけ平静を装いながら声を出したけど多分顔は赤くなってると思う。
「別に~海星は初めてじゃないんだ~って思っただけだよ~」
やっぱり不機嫌になってない!?
というか、発言が何だかきわどいな!?
「それはなんかごめん」
「別に謝ることじゃなけどさ」
「う~ん」
にしては紫苑はまだ僕の腕を離す気はないらしいし表情も少し険しいままだった。
どうしたものかな。
「じゃあ、明日は水族館に行こうよ!最近熱くなってきたしさ!」
紫苑はすぐに先ほどの表情を引っ込めて笑顔になった。
もしかしたら僕をからかっていたのかもしれない。
「わかった。水族館に行こうか。最近は全く行ってなかったし紫苑と行くならどこでも楽しそうだし」
「うん!あ~早く明日にならないかな~」
僕たちはそう話をしながら家にたどり着いた。
そんなこんなで行き先は水族館に決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます