閑話 おかしい海星(紫苑視点)

「最近、海星がおかしい」


 いつからかと聞かれれば海星が公園のベンチで寝てた日からなんかおかしい。

 いつも手をつないで学校に行ってたのに最近つないでないし、なんだか距離を取られてる気がする。

 お昼も別々で食べてるし夜ご飯だって作ってすぐに部屋に戻ってる。

 それに、なんだか顔色がすごく悪いように見えるんだけどずっと僕は大丈夫だからって言うし。


「でも、無遠慮にそういうのを聞くのもあんまりよくないし。私はどうすればいいんだぁ~」


 いっつも海星に助けられてるし今度は私が何とかしてあげたいけど私の気のせいかもしれないし、本人が大丈夫って言ってるのに大丈夫じゃないでしょっていうのもなんかな~


「でも、あの日はなんで公園のベンチなんかで寝てたんだろう?」


 普通あんなところで寝ないし。

 目が覚めたときの目がなんだかおびえてるみたいだったし。


「う~ん」


 悩んでもわかんないと思ってもなんだかもやもやしちゃう。


「今日はもう遅いから明日の学校帰りにでも話してみようかな?」


 ◇


「海星が倒れたって本当ですか?」


「ええ。休み時間に泡吹いて倒れたらしいですね。」


「なんでですか?」


「原因はわかってません。でも、直前まで一緒にいた男子生徒によるとずっと僕は大丈夫と呟いていたらしいですね」


「今は病院ですか?」


「ええ。近くの病院に搬送されました。」


「わかりました。失礼しました。」


 海星が倒れた!?

 なんで。

 先生には悟られないように表情には出してないけど心の中では動揺を隠せなかった。

 やっぱり体調が悪かったんだ!

 でも、なんで僕は大丈夫って連呼してたんだろ?

 わからない。

 わからないけど、

 そんなことよりも早く病院に行かなきゃ。


「なんで相談してくれないのよ」


 私はいいながら病院に向かって全力で走った。

 案外病院は近いものですぐにたどり着くことができた。

 そして受付の人に海星のことを聞いて病室に向かった。

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