第4話 元気でよかったよ、、、はぁ
「はあ、はあ」
「今日はここまでにしましょうか」
「はい。ありがとうございました」
「天乃さん二日目なのにかなり体力つきましたね」
「そうですか?」
「ええ。二日目なのにかなり成長していますね」
「ありがとうございます」
褒められた。
普通の人がどうなのかはあんまりわからないけどまあ、ほめられて悪い気はしない。
流石に二日目でめちゃくちゃ筋肉がついたってことは無いけど。
これをかんばって続ければそれなりに良い体になるんかな?
「早く帰らないと」
着替えをしてジムをでる。
いつも通り時刻は7時30分
ここから帰れば20分くらいで家に着く。
「ただいま~」
「おかえり~今日は何の用事だったの?」
「秘密だよ。別にやましいことをしてるわけじゃないからそこは心配しないでほしい。」
「そこは海星を信頼してるから心配してないけど。結構遅い時間まで海星が何をしてるのか気になるでしょ」
「まあ、確かに」
「でしょ!?だから教えて」
「それはだ~め。別に何にもないから心配しなくても大丈夫だよ」
「む~」
まだ言うには早すぎるしもっとムキムキになって紫苑を驚かせたい。
「じゃあ、またお風呂入ったら晩御飯作るね」
「うん!お風呂は沸いてるから」
「ありがとう。じゃあ、入ってくる」
それからは二日前と同じでお風呂を上がって晩御飯をつくった。
二日前から紫苑は僕が料理を作っているのを隣で見ているようになった。
そんな紫苑がとてもかわいい。
特に時々お~とか、へ~って言っているのが可愛い。
「じゃあ、私が食器洗うね~」
「いいの?」
「うん!私も家事を覚えていかないといけないし海星ばかりに家事をさせるのは悪いからさ」
「じゃあお願い」
「まかせなさ~い」
紫苑は茜とちがって積極的に家事をしてくれようとしている。
それに彼女はいつも何をしても感謝してくれるし。
あんまり元カノと比較するのは良くないんだろうけど、どうしてもそう思ってしまう。
僕もまだまだ人として醜い。
「そういえば、最近の茜はなんだか変?だよな」
少し前は学校を休んでいたりしたけど最近は学校に来ている。
でも、僕や紫苑には接触してこないし何かしてくる素振りもない。
僕のことをあきらめた?のだろうか。
だとしたら喜ばしいことこの上ない。
「海星?どうしたの?」
「いや、何でもないよ。それよりお皿洗ってくれてありがとうね」
「いやいや。こちらこそいっつもご飯作ってくれたり家事してくれてありがとうね」
「僕は好きでやってることだから」
「そっか」
紫苑は俯いてそういった。
なんだか、その声に元気がないような気がした。
思い返してみれば最近ずっと元気がなかったのかもしれない。
「紫苑もしかして何かあった?」
「え、なんで?」
「最近元気が無いように見えたからさ。何かあったのかなって」
「まあ、ちょっとね。でも、大したことじゃないから大丈夫だよ?」
「そう?紫苑が言いたくないならいいんだけど本当に何かあるなら言ってほしい。」
「でも、海星の迷惑になっちゃう」
「そんなことないよ。どんなことでも紫苑のことを迷惑だと思わないし君の力になりたい」
紫苑は気をつかいすぎるところがある。
「あのね、私の両親が近日帰ってくるの」
「え?」
紫苑のご両親が帰ってくる?
この家に?
つまり、娘の住んでいる家にいる僕と会うことになる?
確かにいつかご両親とあいさつしたいと思っていたけどこんなに早くなるなんて。
「それがね、今週末に帰ってくるらしいの」
「それで元気がなかったの?」
「まあ。元気がないってわけじゃないんだけど久しぶりに会うから緊張しちゃってね。私は元気だから心配しないでね」
「そういう事だったのか。まあ、元気でよかったよ」
ん?今週末って今日は金曜日だから、、、
明日!?
「え?明日ここにいらっしゃるの?」
「まあ、そういう事になるかな」
「マジか~~」
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