第3話 トレーニング開始
「え?今日は一緒に帰らないんですか?」
「うん。ちょっと用事があってさ。悪いけど今日は一人で帰っててくれ。八時くらいには帰るから」
「わかりました。気を付けてくださいね」
「了解」
校門で短くそう話して僕は紫苑と別れて歩き始めた。
◇
「し、しんどすぎる」
初めてジムで筋トレをしてみたけど想像以上にしんどい。
トレーナーの人が今日は初めてだからってことで軽めにしてもらったはずなのに。
「大丈夫ですか?」
「は、はい。大丈夫です」
「そうですか。えっと天乃さんは週三日でしたよね?」
「はい。それでお願いします」
「わかりました。次は金曜日ですね。お気をつけてお越しください」
「はい」
時刻は既に7時30分
ここから家までは20分くらいだから普通に変えれば8時に間に合うだろう。
着替えてすぐにジムから出る。
身体は疲れてるけど家に帰ると紫苑がいるから早く帰ろう。
小走りで僕は家に帰った。
「ただいま~」
「海星お帰り~」
「うん。ごめん先にお風呂入るね。上がったらすぐに晩御飯作るから」
「お風呂はもう沸いてるからね~」
「ありがとう。ぱぱっと入ってくる」
先に晩御飯を作ろうかとも思ったけどさすがに全身が汗だくで気持ち悪いし。
流石にあせだくの状態で紫苑の家を動き回るのもまずいし。
「ふぅ~気持ちいなぁ~」
汗でべったりした体をシャワーで洗い流す。
べたべたした感じが取れていてとても気持ちがいい。
「ふう。じゃあ晩御飯作るか」
「やった~!私もご飯作れればよかったんだけど」
「そんなの気にしなくてもいいよ。でも、紫苑ができるようになりたいならまた今度教えるよ」
「本当?ありがとう!」
「そこまで喜ばなくても、」
「嬉しいんだからいいじゃんか!手始めに今日の晩御飯作る所見ててもいい?」
「え?それは全然良いけど」
「やった!」
紫苑は目をキラキラさせながら喜んでいた。
そこまで喜ばれるとなんだか照れる。
「じゃあ、やりますか」
キッチンに立って僕は料理を開始する。
隣では目を輝かせている紫苑が経っている。
紫苑の希望で今日の晩御飯は肉じゃがになった。
僕は所々で紫苑に説明をしながら肉じゃがを作っていった。
「海星すごいね!」
「いやいや、ある程度レシピ通りに作ればきっとできるよ。また今度丁寧に教えるからさ今は食べよう」
「うん!」
「「いただきます」」
うん美味い。
自分で作っていてなんだけどかなりうまくできていると思う。
「おいしい!やっぱり海星が作る料理は最高だよ!」
「そういってもらえるなら作った甲斐があったっていうものだな」
こうやって素直にいろんな感情を伝えてくれる紫苑が僕は好きだ。
だからこそ、僕も紫苑にふさわしい男になりたいと思うんだ。
「そういえば、今日の帰り海星はどこに行ってたの?」
「それは秘密」
「なんで!?」
「秘密ったら秘密」
「もしかして浮気とか?」
「まさか。そんなことするわけないな。僕は紫苑以外の女性に興味がない」
僕は浮気なんかしない。
というかしたくない。
僕は彼女を裏切るような行為をしたくない。
「そっか。ならいいけど」
「ああ。そこらへんは安心してくれていいぞ」
「わかった」
まあ隠す必要はあんまりないんだけど、どうせやるならサプライズしたい。
それであんまり紫苑を不安にさせないように気をつけないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます